黄巾賊(こうきんぞく) 桃園の巻

内容

後漢(ごかん)の建寧(けんねい)元年(西暦一六八年)のころ。
二十四、五歳の劉備は蓆(むしろ)を織り、簾(すだれ)をつくり、それを売って、生活をしている。

涼秋の八月。
劉備は茶を買うために洛陽船(らくようぶね)が来るのを待っている。
茶は高価なもので、母の大好物なものである。

洛陽船(らくようぶね)が着き、劉備は持っているすべての銀や砂金を商人に渡すがこれだけでは足りない。
そこで下げていた剣の緒についている琅玕(ろうかん)の珠を渡し、錫(すず)の小さい壺(つぼ)を手にした。

夜半ごろ、劉備が泊まる宿の街を黄巾賊が襲ってきた。
劉備は裏口から宿を出ると、黄色の巾(きれ)で髪を結んでいる者が矛(ほこ)や槍(やり)や鉄杖(てつじょう)を振り回し、暴れている。
劉備は闇夜を駆け続け、村を離れた山道まで出た。

樹木の陰にある古い孔子廟から黄巾賊の馬元義(ばげんぎ)が現れ、劉備は捕まる。
劉備は馬元義(ばげんぎ)の荷物運びとなり、共に行動することになる。

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