内容
劉岱(りゅうたい)は張飛が攻めてきたと知り、砦の門を固く閉じた。
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張飛は夜討つに策を変え、昼のうちから兵に酒を振る舞い、自身もしたたかに飲んだ。
しばらくすると、何が気に入らなかったのか、張飛はひとりの兵をさんざんに殴ったあげく、大木の上にくくりあげた。
夕闇に、ひとりの兵が木に登り、縄を切って深い傷を負った兵を降ろした。
二人の兵は張飛の陣から脱走した。
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二更となり、張飛は二千の兵を劉岱(りゅうたい)の砦のうしろへ潜ませた。
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劉岱(りゅうたい)は張飛が夜討ちすることを知っていた。敵の脱走兵が知らせたのだ。
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二更を過ぎた頃、張飛は別の千の兵を率いて、劉岱(りゅうたい)の砦を攻めた。
劉岱(りゅうたい)の軍は張飛の軍を撃退し、砦の門を開いて逃げる張飛の軍を追いかけた。
張飛は馬を向けなおし、劉岱(りゅうたい)に迫ったため、劉岱(りゅうたい)は砦に戻ろうとした。
しかし砦のうしろに潜んでいた張飛の軍が、砦の門が開いた隙になだれ込んでおり、占拠されていた。
うろたえる劉岱(りゅうたい)を張飛は捕らえた。
劉岱(りゅうたい)はふたりの兵によって連行された。
二人の兵とは、張飛の陣から脱走した者たちであるが、すべて張飛の作戦によるものであった。
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劉備は劉岱(りゅうたい)の縄を解き、一室へ案内すると、そこにはさきに軟禁されていた王忠(おうちゅう)がいた。
劉備はふたりの前に美酒をならべて、言った。「自分は丞相(じょうしょう)から大恩をうけております。どうして謀反をおこしましょうや」
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次の日。劉備は劉岱(りゅうたい)と王忠(おうちゅう)を城外へ送り出し、兵もすべて返した。
ふたりは許都(きょと)へ向かったが、途中、林の中から張飛の軍が襲ってきた。
張飛は、生け捕ったふたりを劉備が解放したことに納得していなかった。
そこに劉備の指示で関羽が追いかけてきて、張飛をしかりつけた。
劉岱(りゅうたい)と王忠(おうちゅう)は許都(きょと)へ逃げ帰った。
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劉備は小沛(しょうはい)の城に移り、関羽は劉備の家族とともに下邳(かひ)の城へ移った。
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