内容
董承(とうじょう)の体調は回復した。正月十五日の夜に、吉平(きっぺい)の策を聞いたからである。
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ある日の夜。董承(とうじょう)は後苑へ出て、梅樹の林を散歩していた。
梅樹の林で、董承(とうじょう)の側室と召使いの慶童子(けいどうじ)が密会しているところを見つける。
董承(とうじょう)は、女を百打ち、男を百以上、杖で撃つように命じた。
慶童子(けいどうじ)は木の幹に縛られたが、夜中に縄を噛み切り、逃げた。向かった先は曹操のいる相府(しょうふ)である。
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曹操は慶童子(けいどうじ)から、曹操の命を奪おうとしている謀反人がいることに驚き、「どうして知っているのか」と問うた。
慶童子(けいどうじ)は、正月十五日の夜に、吉平(きっぺい)と主人董承(とうじょう)が話しこんでいるのを盗み聞きしたという。
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四、五日ほど経った明け方。吉平(きっぺい)のもとに使いが来た。「丞相(曹操)が頭痛を訴えておられるので、すぐに来診ねがいたい」
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吉平(きっぺい)は曹操に煎薬を渡した。
「においがいつもと違うようだ。吉平(きっぺい)から飲んでみせい」
うろたえる吉平(きっぺい)を曹操は蹴り飛ばし、捕らえた。
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激しい追及にも、吉平(きっぺい)は一言も発しなかった。
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数日後。曹操は臣下の者たちや百官へ酒宴の招待状を送った。
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酒宴は開かれ、宴もたけなわと見た曹操は、十名の獄卒と荒縄でくくられた吉平(きっぺい)を呼び、獄卒に激しい追及を始めさせた。
酒宴の客はその場から逃げ出していったので、王子服(おうじふく)、呉子蘭(ごしらん)、种輯(ちゅうしゅう)、呉碩(ごせき)の四人も逃げ出そうとした。
「君たち四人は待ちたまえ」曹操は四人を指さし、四人は別の部屋へ連れて行かれた。
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「曹操の命を狙っているそうだな」曹操は四人を問い詰めるが、四人は「知らないこと」と言った。
曹操は証人として慶童子(けいどうじ)を呼び、説明させた。
しかし四人は「覚えはない」と答えた。
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次の日。曹操は董承(とうじょう)の邸に乗り込んだ。
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