敗将(はいしょう) 図南の巻

あらまし

張飛ちょうひは、張郃ちょうこうが構えた三ヵ所の陣を打ち破った。

張郃の三万余騎の兵力は、二万余人を失い、張郃自身は瓦口関がこうかんまで落ちのび、曹洪そうこうに救援をもとめた。

曹洪は激怒し、「救援に送る兵なし」と返した。

張郃は、自ら一隊を率い、敵前に進み出た。

蜀の大将雷同らいどうは馬を飛ばし、張郃にうってかかったが、敵の策にはまり、斬られた。

翌日、張飛は、軍を進めて軍の正面を攻め、張郃は、みずから馬を進めてぶつかった。

張郃は、瓦口関がこうかんにのがれ、門を閉じて厳重に守った。

張飛は、百姓たちから瓦口関の背後に通じる小路を聞いた。

瓦口関の正面は魏延ぎえん、背後からは張飛が攻めた。

張郃は、瓦口関を捨てて南鄭なんていへ逃げた。

曹洪は、郭淮かくわいの言を容れ、張郃に五千の兵を分ち与えて、しょく葭萌関かぼうかんの攻撃を命じた。

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