内容
「白帝城（はくていじょう）へ近づきながら、どうして退くのですか」呉（ご）の大将は陸遜（りくそん）に尋ねる。
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「数日のうちにわかるよ」陸遜は答える。
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二日後、陸遜のもとに知らせが入る。魏（ぎ）の大軍が三つに分かれて、攻めてきているというのだ。
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陸遜は呉に戻ったことが間違いでなかったことを確信し、魏の対戦に備える。
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呉に大敗し、白帝城に逃げた劉備（りゅうび）は悲嘆に暮れている。
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漢中（かんちゅう）で諸葛亮（しょかつりょう）に会った馬良（ばりょう）が戻ってくるが、時すでに遅し。
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劉備は成都（せいと）に戻ることなく、白帝城を永安宮（えいあんきゅう）とよび、留まる。
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蜀の水軍の将黄権（こうけん）が魏に降伏したとの噂が入る。
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側臣は「黄権一族を斬りましょう」とすすめる。
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しかし、劉備は「黄権は呉軍に退断され、戻れなかったのだ。黄権がわれをすてたのではない。朕が黄権を捨てた罪だ」と言い、黄権一族を保護するよう命じる。
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魏の曹丕（そうひ）は濡須（じゅしゅ）攻めに曹仁（そうじん）をさしむける。
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濡須は呉の主都建業（けんぎょう）に近く、呉にとって重要な守りのかなめである。
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魏軍は濡須の城を囲み、常雕（じょうちょう）が城門へ攻め進むと、そこには一兵もいない。
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一斉に魏軍の兵は城壁を登り始める。
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そのとたん、矢が魏兵の上から降り注ぐ。
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城門が開き、呉の大将朱桓（しゅかん）が魏軍の中にわけ入り、魏将常雕を斬る。
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この戦いから以後、魏の曹仁は朱桓にどうしても勝てなかった。
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呉を三方面から同時に攻めるのが魏の策略であったが、残りの二方面から敗戦の知らせが届く。
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魏の曹丕は自身も危うくなったため、魏へ引き揚げる。
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