吉川三国志

吉川三国志

岳南の佳人(がくなんのかじん) 桃園の巻

内容 県尉(けんい)の官職を辞めた劉備は、荷物をまとめ、二十人ほどを連れ、安喜県を後にした。↓督郵(とくゆう)は劉備が逃げたと知ると、定州(ていしゅう)の太守へ「劉備を捕らえて都へ送れ」との早馬を出す。↓劉備らは張飛の案内で、代州(だいしゅ...
吉川三国志

打風乱柳(だふうらんりゅう) 桃園の巻

内容 張飛は督郵(とくゆう)がいる役所の門を打ち叩く。しかしなかにいる督郵(とくゆう)の家来たちは門が開かないように押さえている。張飛は力を発揮して門を押し倒したため、督郵(とくゆう)の家来たちは門の下敷きになる。↓張飛は督郵(とくゆう)の...
吉川三国志

十常侍(じゅうじょうじ) 桃園の巻

内容 帝に仕える張均(ちょうきん)は劉備に声をかけ、劉備の現状を知る。その後、帝に拝謁し、十常侍(じゅうじょうじ)の者たちが悪政を行っていると、帝に申し上げる。すると突然、十常侍(じゅうじょうじ)の者たちが現れたため、張均(ちょうきん)は目...
吉川三国志

秋風陣(しゅうふうじん) 桃園の巻

内容 潁川(えいせん)にいた官軍朱雋(しゅしゅん)は黄巾賊の軍を追って、河南(かなん)へ移っていた。劉備の軍は朱雋(しゅしゅん)を追って、河南(かなん)へ向かい、合流した。↓翌日、官軍朱雋(しゅしゅん)の命令により、劉備の軍は約三十里ほど先...
吉川三国志

檻車(かんしゃ) 桃園の巻

内容 官軍の大将朱雋(しゅしゅん)は広宗(こうそう)で戦う盧植(ろしょく)の軍を援けに行けと劉備に命じる。↓劉備の軍は広宗(こうそう)へ向かっている途中、檻車(かんしゃ)をひいた官軍に出会う。檻車のなかには盧植(ろしょく)がいるという。関羽...
吉川三国志

転戦(てんせん) 桃園の巻

内容 関羽は劉備の書を携え、幽州涿郡(ゆうしゅうたくぐん)の大守劉焉(りゅうえん)に会い、劉焉(りゅうえん)の軍に入りたいと述べると、劉焉(りゅうえん)は喜び、受け入れる。↓劉備は劉焉(りゅうえん)の配下鄒靖(すうせい)の軍に入り、先陣をつ...
吉川三国志

義盟(ぎめい) 桃園の巻

内容 夜が明け、関羽と張飛は桃園で祭壇を作り、劉備の母は酒と食事の用意をしている。↓劉備、関羽、張飛は祭壇へ向かって、兄弟の杯を交わす。↓翌日。関羽が檄文を書き、兵を募ると、劉備の家の門前には、意気盛んな男たちが集まってきた。↓ある日。何十...
吉川三国志

三花一瓶(さんかいっぺい) 桃園の巻

内容 劉備は城内の市からわが家に戻ると、ひとりの良き友と出会い、手放した剣が自分の手に返ってきたことを母に伝える。母は「時が来たようだね」と劉備を励ます。↓次の日。劉備の家に張飛がやってきた。張飛は劉備を関羽に会わせたいというのだ。↓劉備と...
吉川三国志

童学草舎(どうがくそうしゃ) 桃園の巻

内容 城壁のやぐらから鼓がなっている。張飛は市の辻へ戻り、猪の露店をしまって駆け出した。↓関門は閉まっていたので、開けるようにと張飛は頼むが、関門兵はそれを許さない。張飛は鉄梯子を登り始める。二人の関門兵が張飛の首と腰に組みつくが、張飛はそ...
吉川三国志

橋畔風談(きょうはんふうだん) 桃園の巻

内容 劉備は蓆(むしろ)を納めている問屋へ代金を取りに城内へ向かった。↓劉備は城内に入ると、黄巾賊を討つために兵を募る立札を見た。そこで体の大きな男に声をかけられ、町はずれの池のほとりにある石橋にふたりは腰をかける。その体の大きな男は、数年...
吉川三国志

桑の家(くわのいえ) 桃園の巻

内容 劉備はわが家のある涿県楼桑村(たくけんろうそうそん)に帰る。↓桑の木の下にあるわが家に帰った劉備は錫(すず)の小さい茶壺を母に渡す。↓次の日の朝、劉備の母は家の裏にある桃園にむしろを敷き、水を汲みに出た子劉備の帰りを待つ。↓劉備は戻り...
吉川三国志

張飛卒(ちょうひそつ) 桃園の巻

内容 劉備と芙蓉(ふよう)を乗せた白馬を黄巾賊の一隊が追いかけ、鉄弓の矢を放つ。↓白馬は河べりまで来るが、県軍はいない。↓黄巾賊に包囲された劉備はひとりで賊を相手にしたが、黄巾賊李朱氾(りしゅはん)の大剣が劉備の胸に突きつけられる。↓その時...
吉川三国志

白芙蓉(びゃくふよう) 桃園の巻

内容 約五十名ほどの黄巾賊小隊が馬元義(ばげんぎ)の姿を見つけ、寺へ向かってくる。↓黄巾賊小隊にいた李朱氾(りしゅはん)は洛陽船(らくようぶね)から茶を買った劉備を見つける。劉備は茶の代わりに下げていた剣を差し出すと、黄巾賊馬元義(ばげんぎ...
吉川三国志

流行る童歌(はやるどうか) 桃園の巻

内容 黄巾賊の馬元義(ばげんぎ)らは劉備を連れて北へ向かう。↓荒れ果てた寺を見つける。壊れた門の扉には黄色の紙が貼ってある。すでに黄巾賊の者が入った証である。↓薄暗い堂の中に入ると、骨と皮ばかりの老僧が椅子に腰かけている。老僧は劉備の顔を凝...
吉川三国志

用語集

あ ●哀婉(あいえん)哀れで、優しさのあるさま。(『三国志』序) ●隘路(あいろ)狭くて通行の困難な道。(『三国志 出師の巻』蜀山遠し)(『三国志 五丈原の巻』水火)(『三国志 五丈原の巻』松に古今の色無し) ●丫鬟(あかん)あげまきに結ん...
吉川三国志

黄巾賊(こうきんぞく) 桃園の巻

内容 後漢(ごかん)の建寧(けんねい)元年(西暦一六八年)のころ。二十四、五歳の劉備は蓆(むしろ)を織り、簾(すだれ)をつくり、それを売って、生活をしている。↓涼秋の八月。劉備は茶を買うために洛陽船(らくようぶね)が来るのを待っている。茶は...
吉川三国志

参考

『三国志(一)桃園の巻』吉川英治 新潮文庫 平成二十五年二月一日発行『三国志(二)群星の巻』吉川英治 新潮文庫 平成二十五年二月一日発行『三国志(三)草莽の巻』吉川英治 新潮文庫 平成二十五年三月一日発行『三国志(四)臣道の巻』吉川英治 新...