蛮娘の踊り(ばんじょうのおどり) 三国志 出師の巻

・孟獲、五たび生け捕られる

あらすじ

万安渓に着いた諸葛亮は、隠士に助けを求めた。

隠士は、四泉の毒に倒れた蜀軍の傷病兵を受け入れ、薬泉へ案内した。
傷病兵は即座に回復した。

隠士は、これから先は、地下水のみを飲むようにと注意した。
隠士は南蛮王孟獲(もうかく)の兄孟節(もうせつ)だと名乗った。

蜀軍は禿龍洞(とくりょうどう)の地へ入り、陣を張った。

禿龍洞の首部では、蜀軍が来たと知り、大動揺を起していた。
隣接する銀冶洞(ぎんやどう)の酋長楊鋒(ようほう)が、三万余人を率いて、応援に来た。
朶思大王(だしだいおう)も孟獲もよろこび、酒宴を開いた。

楊鋒は、連れて来た蛮娘たちに余興として踊らせた、大いに賑わった。

突然、「手を下せ」と楊鋒が大喝した。
すると、楊鋒の一族は、孟獲・孟優・朶思大王を捕らえた。

なぜ、捕らえたのか。
実は、蜀軍の関索・王平・魏延(ぎえん)の隊は、諸葛亮のいる陣とは別行動をとっており、隣接地方を進撃していた。
その際、銀冶洞の楊鋒は捕らわれたが、諸葛亮の恩を感じて、今回の協力に至ったのである。

合図の狼煙(のろし)が揚がり、蜀軍がやってきた。

諸葛亮を前にした孟獲の反抗心は、相変わらず熾烈であった。

メモ

●嗟嘆(さたん)
感心してほめること。

●翩翻(へんぼん)
旗などがひるがえるさま。

●旌旗(せいき)
はた。

●垂涎(すいぜん)
非常に強くその物をほしがること。

●鳶色(とびいろ)
タカ科トビの羽毛の色。つまり、赤暗い茶褐色のこと。

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