煩悩攻防戦(ぼんのうこうぼうせん) 臣道の巻

内容

曹操は城中のやぐらに立つ呂布(りょふ)に言う。「呂布(りょふ)殿が袁術(えんじゅつ)の婚姻を結ぶと聞き、攻めたのだ。袁術(えんじゅつ)は皇帝を名乗る逆賊。曹操に従うならば、呂布(りょふ)殿の領地と名誉を保証する」
呂布(りょふ)は心を動かされ「降伏の使者を送る」と言う。
そばにいた陳宮(ちんきゅう)は慌てて「口先で人をだます達人め」と曹操に言い返し、弓を放つ。
曹操は激怒し、総攻撃を命じる。

呂布(りょふ)と陳宮(ちんきゅう)は言い争うが、諸将たちが諫めたため、ふたりの怒りはおさまる。

呂布(りょふ)は陳宮(ちんきゅう)に策を求めたため、掎角(きかく)の計を提案する。
陳宮(ちんきゅう)は城内から、呂布(りょふ)は城外から、曹操軍を前と後から攻撃するというのだ。

呂布(りょふ)は城を出て戦うため、身支度を整えていると、
妻の厳氏(げんし)が「陳宮(ちんきゅう)は曹操と主従を結んでいたのに、変心して裏切った男です。陳宮(ちんきゅう)をひとり城に置いておくと、変心するかもしれません」と泣いて訴える。
呂布(りょふ)は鎧を脱ぎ、戦いに出るのをやめる。

三日経っても呂布(りょふ)は戦いに出る気配がない。
陳宮(ちんきゅう)は呂布(りょふ)に「許都(きょと)から曹操の陣地に兵糧が運ばれています。いま戦いに出れば、兵糧を断つことができます」と提案する。
呂布(りょふ)は明日、戦いに出ることを決める。

その夜。呂布(りょふ)は貂蝉(ちょうせん)の部屋に入ると、
貂蝉(ちょうせん)は泣いて言う。「陳宮(ちんきゅう)と高順(こうじゅん)は仲が悪いため、敵に虚をつかれます」
呂布(りょふ)は戦いに出ることをやめる。

数日後。陳宮(ちんきゅう)配下の許汜(きょし)と王楷(おうかい)が呂布(りょふ)に提案する。「袁術(えんじゅつ)に助けを求めませんか。婚約は破談と決まったわけではありません」
呂布(りょふ)は、許汜(きょし)と王楷(おうかい)を使者とし、
張遼(ちょうりょう)と郝萌(かくほう)の二軍は淮南(わいなん)の境まで使者を護衛するよう命じる。

使者許汜(きょし)と王楷(おうかい)は、曹操や劉備の警備をすり抜け、淮南(わいなん)の境まで出る。
郝萌(かくほう)の軍は、帰りの危険もあるため、使者とともに淮南(わいなん)まで向かい、
張遼(ちょうりょう)の軍は来た道を引き返す。

使者許汜(きょし)と王楷(おうかい)は袁術(えんじゅつ)に会う。
袁術(えんじゅつ)は「娘を先に送れば、全軍で助ける」と言う。

使者許汜(きょし)と王楷(おうかい)は急いで帰る。
夜中になり、使者の一隊は張飛の隊に囲まれる。
使者の護衛についている郝萌(かくほう)は張飛に捕らえらえたが、
使者の二人は乱戦のなか闇にまぎれて下邳(かひ)の城まで逃げ着く。

捕らえられた郝萌(かくほう)は劉備の陣で激しい取り調べを受け、すべてを自白する。

淮南(わいなん)から戻った使者許汜(きょし)と王楷(おうかい)は呂布(りょふ)に報告する。
呂布(りょふ)は張遼(ちょうりょう)と侯成(こうせい)の二将に淮南(わいなん)までの護衛を命じ、
自身は娘を背中に背負い、夜中に淮南(わいなん)へ向け出発する。

次の日の夜。呂布(りょふ)の一団は関羽の隊に見つかる。
呂布(りょふ)は「娘を傷つけては」と、下邳(かひ)の城まで一気に駆けもどる。

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