内容
母の身を案じる徐庶(じょしょ)は同時に、劉備のことも気になっていた。劉備が訪れても諸葛亮は簡単に動かないだろうと。
徐庶は母のいる許都へ向かう前に、諸葛亮のいる隆中(りゅうちゅう)へ向かった。
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徐庶は諸葛亮に、劉備公が訪ねて来られるので、ご辞退しないようにお願い申し上げる、と言った。
諸葛亮は、友を売るつもりか、と言って奥の部屋に閉じこもってしまった。
徐庶はどうしようもなく席を去った。
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建安(けんあん)十二年十一月。徐庶は許都へ着いた。
曹操の許しを得て、徐庶は母へ会いに行った。
「どうしてここに来たのか」徐庶の母は言った。
徐庶は母に手紙を見せた。
「偽文の真偽もわからず、主君劉備様を捨てて来るとは何事か」徐庶の母は顔色を変えて怒った。
徐庶の母は嘆きながら、とばりの陰に隠れた。徐庶は悔やんで泣き伏した。
とばりの後ろで異様な声がしたので、徐庶は駆け寄ると、母は命を絶っていた。
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許都郊外の南原(なんげん)に徐庶の母の墓が建てられた。曹操が徐庶をなぐさめるために贈ったものである。
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