内容
張飛(ちょうひ)を真ん中に、左右に魏延(ぎえん)と雷同(らいどう)を置いた陣形は魏(ぎ)軍を追いまくる。
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張郃(ちょうこう)が構えた三か所の陣は打ち破られ、三万余騎の兵力は二万余人を失って、張郃(ちょうこう)は瓦口関(がこうかん)へ逃げる。
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張飛はこの勝ち戦を成都(せいと)にいる劉備(りゅうび)に知らせるため、早馬を飛ばす。
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瓦口関まで逃げた張郃(ちょうこう)は、曹洪(せいこう)に救援をもとめる。
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曹洪は知らせを聞き、激怒。曹洪の策に異を唱え、張郃自身が行った策で敗戦となったからだ。
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「救援に送る兵なし。逆襲してもとの本陣を奪取すべし」と曹洪は返答。
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張郃は自ら一隊を率いて、蜀軍に進み出る。
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蜀の大将雷同は馬を飛ばして、張郃に討ってかかる。
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張郃は雷同と討ち合うと、逃げた。
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雷同は逃がさじと追う。
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張郃は合図をすると、魏の伏勢が起って雷同の退路を断つ。
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雷同はすぐに引き返そうとするが、張郃が追いかかり、雷同を斬る。
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張飛は激怒し、馬を走らせ張郃に迫る。
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張郃は雷同と同じ策を使って逃げるが、張飛は追ってこない。
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引上げた張飛は魏延を呼び、明日に行う策を伝え、魏延は配下の精鋭を選んで配備につく。
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翌日、張飛は軍を進めて魏軍張郃の正面を攻める。
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ふたたび雷同のときと同じ策を張郃は用いると、張飛は兵とともに張郃を追ってくる。
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張郃の置いていた伏兵は左右から起ち、張飛の後ろをさえぎろうとするが、そこには潜んでいた魏延の兵が立ちふさがった。
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虚をつかれた張郃の兵は山中を逃げ惑う。
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魏延の部隊は柴の車をもって細道をふさぎ、これに火をかける。
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張郃の兵は一人残らず焼けた。
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張郃は瓦口関に逃れ、門を閉じて厳重に守った。
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張飛は魏延とともに数日にわたり攻めるが、この要害は堅固で揺ぎもしない。
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張飛は二十里後方に退いて陣を構え、みずからは山路の偵察にでる。
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ある日、背に荷物を負った百姓らしい男女が、つるにしがみつきながら山を越えてゆく姿を張飛は見た。
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張飛はあの百姓をここへ連れてこいと命じる。
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百姓の話によると、本道では激しい合戦があるため迂回をしており、その道は瓦口関の背後に通じているという。
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張飛は魏延を呼び、策を伝える。
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瓦口関の正面に魏延の兵が現れる。
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張郃は関を下って攻めかかろうとしたとき、瓦口関の背後から火の手があがる。
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馬首をかえして、張郃は瓦口関に戻ると、張飛の姿をみた。
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張郃は逃げた。後ろを見ると、張飛がいる。張郃は逃げに逃げ、馬を乗り捨て、なんとか南鄭(なんてい)にたどり着く。
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曹洪は激怒し、張郃の首を斬れと命じる。
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行軍司馬の官にあった郭淮(かくわい)は曹洪を諫め、「張郃に蜀の葭萌関(かぼうかん)を攻めさせれば、蜀軍は引き返して葭萌関を守るに違いありません」と言う。
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曹洪は張郃に五千の兵を与え、葭萌関の攻撃を命じる。
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