報恩一隻手(ほうおんいっせきしゅ) 臣道の巻

内容

曹操軍魏続(ぎぞく)は袁紹軍顔良(がんりょう)へ挑み、七、八回矛を合わせのち、斬り倒された。

顔良ひとりのために、曹操軍の右翼は壊滅。中軍にまで被害が及んできた。

曹操軍徐晃(じょこう)が出て行った。
徐晃と顔良は七十回も矛と斧を合わせているが、勝負はつかない。しかし、次第に徐晃に疲れが見えはじめ、ついに斧を投げ捨て徐晃は逃げ去った。

曹操は陣を十里ほど退いた。

次の日の朝。曹操は程昱(ていいく)の献言により、関羽を呼ぶことにした。
知らせを受けた関羽は、赤兎馬(せきとば)にまたがり、白馬の野へ急いだ。

曹操と関羽は山へ登り、敵味方の陣形を見まわした。
関羽は顔良の首を獲るため、青龍(せいりゅう)の偃月刀(えんげつとう)を抱えて、赤兎馬とともに山道を馳け降りて行った。

関羽は袁紹軍の兵をなぎ倒しながら顔良(がんりょう)を目指して進んだ。

関羽と顔良はぶつかり、顔良が名乗る前に偃月刀が落ちてきた。顔良は一斬りされた。
関羽は顔良の首を馬の鞍(くら)に結び付け、その場を去った。

この機に曹操は総攻撃を命じ、顔良がいない軍は乱れ、敗れていった。

関羽は曹操の前に顔良の首を置いた。

関連記事

次の章「黄河を渡る(こうがをわたる)」へ進む

前の章「白馬の野(はくばのの)」へ進む

トップページへ進む