鳳雛去る(ほうすうさる) 望蜀の巻

内容

周瑜(しゅうゆ)の柩(ひつぎ)をのせた船は、荊州(けいしゅう)から呉(ご)へ向かった。

孫権(そんけん)は周瑜の遺書に書いてあったとおり、魯粛(ろしゅく)を大都督に任命した。

諸葛亮(しょかつりょう)は趙雲(ちょううん)と従者五百余を連れて、呉へ向かった。

霊前で、諸葛亮は自筆の弔文(ちようもん)を読んだ。
読み終わると、地に伏して大いに泣き、並びいる呉の将士ももらい泣きをした。

魯粛(ろしゅく)は、帰る諸葛亮を船のある江の岸まで送った。
諸葛亮が船に乗ろうとした時、片手に剣を持ち、諸葛亮を刺そうとする浪人がいた。
魯粛はその浪人の腕をつかんで振り飛ばした。
「冗談です」浪人は言った。
「龐統(ほうとう)ではないか」諸葛亮は親しげに寄った。
諸葛亮は龐統に一書をしたため、それを持って荊州へ来るようにと言って、船に乗り、荊州へ帰って行った。

魯粛は龐統を大都督に推薦するため、宮中へ連れてきた。
龐統を見た孫権は、龐統の風貌に嫌悪を覚えた。
ニ、三の質問を孫権はしたが、龐統の返答はぶっきら棒だった。
孫権は奥へかくれ、魯粛を呼び、すぐ追い返すようにと命じた。
魯粛は龐統を城門の外まで送り、詫びた。

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