第七巻 望蜀の巻 第一七九回 鳳雛去る
あらすじ
周瑜の柩を乗せた船は呉へ下っていく。
孫権は周瑜の遺書を読み、遺言を守る。
「魯粛を大都督に」
国中は喪に服している。
そこへ喪を弔うと称して、諸葛亮が来た。
魯粛が迎えたが呉の諸将はひしめき合った。
「孔明の首を霊前に供えよ」
趙雲が諸葛亮のそばで目を配っているので、手が下せない。
諸葛亮は霊前に向かって自筆の弔文を読み終えると、地に伏して大いに泣いた。
並びいる呉の将士ももらい泣きする。初めの敵対心は消えていた。
「まるで骨肉の者と別れたような嘆き方だ。周瑜が命を落としたのは孔明のせいではなく、むしろ周瑜の狭量のせいではないか」
魯粛は江の岸まで諸葛亮を送った。
諸葛亮は荊州へ帰る船へ乗ろうとしたとき、龐統が顔を見せる。
諸葛亮は龐統に一書を手渡し、去っていった。
「この書を携えて荊州へ来なさい」
一方、魯粛は大都督に龐統を推薦し、孫権に会わせる。
孫権は龐統を追い返す。
「容姿がぱっとしない男だ。虫が好かん」
魯粛は龐統を城門の外まで見送り、詫びる。そして劉備に仕えることを勧め、紹介状を渡す。