生きて出る柩(いきてでるひつぎ) 図南の巻

内容

曹仁(そうじん)が立てこもる樊城(はんじょう)は、関羽(かんう)に取り囲まれてしまう。

曹操(そうそう)は于禁(うきん)を大将に指名し、曹仁を助けるよう命じる。

相手は関羽であるため、于禁は先陣にあたる副将を一人つけてほしいと願う。

龐徳(ほうとく)が名乗り出たため、曹操は認める。

しかし、龐徳は馬超(ばちょう)の腹心であったため、蜀(しょく)と内通しているのではないかという疑いがある。

その日の夜、于禁は魏(ぎ)王宮に上り、曹操にその疑いを伝える。

曹操は龐徳(ほうとく)の副将の役目を取り下げると、龐徳は曹操の恩に報いたいのみであると嘆く。

曹操は龐徳をふたたび副将に命じる。

龐徳の部隊が出陣のとき、先頭の兵は柩を担いでいる。龐徳が関羽に討たれたときには、この柩に収めよというのだ。

曹操は龐徳出陣の様子を聞いて喜ぶ。

そばにいた賈詡(かく)は「龐徳の武勇は関羽に匹敵するが、知略は関羽に及ばない。血気盛んに勢いだけで進むと、失敗するでしょう。龐徳の気持ちを弱めたほうがよいでしょう」と進言。

曹操はすぐに使いを出し、龐徳に「軽々しく仕懸(しかけ)るな」との命を出した。

龐徳は曹操の戒めを気にもせず、樊川(はんせん)へ猛進する。

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