内容
曹操と鄒氏(すうし)との関係を知った賈詡(かく)は、主君張繍(ちょうしゅう)のもとへ向かい、策を提案する。
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次の日。張繍(ちょうしゅう)は曹操のもとを訪ね、「配下の兵が勝手を振る舞い、他国へ逃げる兵も多くて困っている」と愚痴をこぼす。
曹操は言う。「君の兵に城の内外を見廻らせて、逃げる兵は斬ればよい」
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張繍(ちょうしゅう)から曹操とのやりとりを聞いた賈詡(かく)は、城中一の勇猛といわれる胡車児(こしゃじ)を呼び、策を伝える。
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曹操のいる室外に立ち、護衛をしている典韋(てんい)のもとに、張繍(ちょうしゅう)から、「酒を用意しているから明日城中にお越しください」との書状が届く。
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次の日。典韋(てんい)は城中で飲み続ける。
泥酔しているため胡車児(こしゃじ)が介抱しながら部屋へ送る。
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典韋(てんい)は交代の時刻まで間があったので眠る。
胡車児(こしゃじ)は、典韋(てんい)が眠っているのを確認し、典韋(てんい)の戟(ほこ)を持って部屋を出る。
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曹操は鄒氏(すうし)と酒を飲んでいる。
馬のひずめの音がするので侍臣に聞くと、「張繍(ちょうしゅう)の兵の見廻りです」という。
午後十時頃。兵を鼓舞する大きな声が聞こえるので侍臣に聞くと、「馬糧を積んだ車に火がついたので、消し止めているところです」いう。
窓が明るくなったので、窓を開けると、火の手が上がっていた。
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曹操は典韋(てんい)を呼ぶが、典韋(てんい)は来ない。
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典韋(てんい)は眠っていたが、煙の異臭に飛び起きる。
戟(ほこ)もなく、鎧甲(よろいかぶと)もつけずに外に出て、張繍(ちょうしゅう)の兵の刀を奪い、斬り進む。
張繍(ちょうしゅう)の兵は典韋(てんい)を遠巻きに囲んで、矢を射つづける。
典韋(てんい)は門を守るように仁王立ちのまま命を落とす。
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曹操は馬に飛び乗り、逃げる。
甥の曹安民(そうあんみん)は裸足で曹操のあとを追う。
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張繍(ちょうしゅう)の騎馬隊が曹操を追い、矢が曹操の左ひじを射抜く。
曹安民(そうあんみん)は捕まり、斬られる。
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曹操は淯水(いくすい)を渡り、岸へあがろうとしたとき、張繍(ちょうしゅう)軍が射た矢が馬の目を射抜き、馬は倒れる。
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曹操は岸へ這い上がると、同じく逃げて来た息子曹昂(そうこう)がいた。
曹昂(そうこう)は馬からおりて、曹操へ譲る。
曹操は馬に飛び乗って駆け出すが、後ろを振り返ると、曹昂(そうこう)は張繍(ちょうしゅう)軍の無数の矢を受けて命を落としていた。
曹操は曹昂(そうこう)の体を鞍(くら)のわきに抱え乗せ、夜どおし逃げ走った。
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青州(せいしゅう)の兵が曹操に、「于禁(うきん)が謀叛を起し、青州(せいしゅう)の軍馬の命を奪った」と訴える。
于禁(うきん)は曹操配下の者である。
曹操は激怒し、于禁(うきん)の陣に兵を差し向ける。
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于禁(うきん)は張繍(ちょうしゅう)攻めの一翼として陣を敷いている。
曹操が兵を差し向けたと聞くと、「塹壕(ざんごう)を掘って、備えを固めろ」と命じる。
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その後、張繍(ちょうしゅう)軍が于禁(うきん)の陣を攻めるが、于禁(うきん)軍は撃退する。
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張繍(ちょうしゅう)軍を撃退後、于禁(うきん)は曹操を訪ねて、言った。
「青州(せいしゅう)の兵が混乱に乗じて略奪を始めたため、討ち懲らした。それを恨んでの虚言である。
張繍(ちょうしゅう)軍に対する備えのために、自陣をうごかさなかった。
仲間の誤解はあとから解けばよいと思った」
曹操が抱いていた于禁(うきん)への疑いは一掃する。
于禁(うきん)を訴えた青州の兵を処罰し、青州(せいしゅう)兵を監督している夏侯惇(かこうじゅん)をとがめた。
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都の許昌(きょしょう)に帰った曹操のもとに、徐州(じょしゅう)の呂布(りょふ)の使者として、陳登(ちんとう)が来る。
陳登(ちんとう)は袁術(えんじゅつ)配下で婚姻の使者韓胤(かんいん)を捕虜として差し出し、「袁術(えんじゅつ)とは縁を切り、曹操と親善を深めたい」と言う。
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その夜。曹操は陳登(ちんとう)を招き、宴を開く。
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