一書十万兵(いっしょじゅうまんぺい) 臣道の巻

内容

劉備は徐州(じょしゅう)の城へ入ったが、曹操は必ず攻めてくるだろうと恐れずにはいられなかった。

劉備の様子をみた陳登(ちんとう)は、劉備を連れて鄭玄(ていげん)の門を叩いた。
劉備は鄭玄(ていげん)に自身の志を述べると、鄭玄(ていげん)は筆をとって、袁紹(えんしょう)に宛てた書を書いてくれた。

劉備は城に帰ると、配下の孫乾(そんけん)を袁紹(えんしょう)のもとへ走らせた。

孫乾(そんけん)は袁紹(えんしょう)に会い、劉備の親書を渡して「閣下の兵武で曹操を討ってください」と懇願し、鄭玄(ていげん)の書も渡して退いた。

次の日。袁紹(えんしょう)は諸大将を集めて意見を求めた。
曹操征伐の反対派である田豊や沮授(そじゅ)と強硬派の審配(しんぱい)は対立した。
郭図(かくと)は言った。「賢士鄭玄(ていげん)は劉備を助け、共に曹操を討てと書を送っています。出兵の命を臣下は待っております」
郭図(かくと)の意見に諸大将は賛同した。
袁紹(えんしょう)は曹操征伐を決め、十万の大軍を編制した。

孫乾(そんけん)は袁紹(えんしょう)の返書を持って、徐州(じょしゅう)へ急いで帰った。

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