雁のみだれ(かりのみだれ) 三国志 出師の巻

・李意、占う

あらすじ

蜀七十五万の軍は、呉を討つために、成都を離れ、行軍をつづけていた。
途中、陣しているところへ、張飛の部下呉班(ごはん)がやってきて、一通の書を差し出した。
劉備は一読すると、真っ青になり、額から冷や汗を流した。

翌朝、 白装束を着た張飛の嫡子張苞(ちょうほう)が、一隊の軍馬を率いて、また同じ日、関羽の次男関興(かんこう)も、一手の兵をつれて、劉備の軍に合流した。

ある日、陳震(ちんしん)の薦めにより、青城山(せいじょうざん)にいる李意(りい)を招き、占わせることになった。
劉備は、前途の吉凶いかがかと聞いた。
李意は、紙に兵馬武器を書いては破り捨てを繰り返し、最後の一枚に、一個の人形が仰向けとなり、もう一人の人物がその人形を土の中に埋めようとしている絵を描いた。そしてその絵の上に「白(はく)」と書いて筆をおき、劉備に百拝して、帰っていった。

呉の軍が現れたとの知らせが劉備軍に入り、張飛の子張苞(ちょうほう)と、関羽の次男関興(かんこう)が先陣を名乗り出た。
ふたりは先陣を争い、剣と矛を持って争いだしたので、劉備はふたりを叱った。
ふたりは、関興を兄、張苞を弟とし、兄弟のちかいを立てた。
劉備は、先陣水陸軍の二手に関興、張苞を立てて、呉の境へ急いだ。

メモ

●亢旱(こうかん)
干ばつ。

●刎頸の交わり(ふんけいのまじわり)
お互いに首を斬られても後悔しないような仲。

●戎馬(じゅうば)
軍馬。

●奔命(ほんめい)
忙しくかけ回ること。

関連記事

次の章「呉の外交(ごのがいこう)」へ進む

前の章「桃園終春(とうえんしゅうしゅん)」へ進む

トップページへ進む