内容
荊州(けいしゅう)の中央を占領した呉(ご)であるが、地方には蜀(しょく)将が残っている。公安(こうあん)地方の傅士仁(ふしじん)と南郡の糜芳(びほう)である。
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虞翻(ぐほん)は幼少から傅士仁とは友であったため、公安地方の無血占領を孫権(そんけん)に申し出て、許される。
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城に籠る傅士仁に虞翻は書簡を矢にはさんで城中へ放つ。
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傅士仁は門を開き、虞翻を入れた。
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虞翻は傅士仁を連れて、孫権に会った。
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孫権は傅士仁に、今までどおり公安の守将たることを許し、南郡を守る糜芳(びほう)を降伏させよと命じる。
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傅士仁は糜芳の守る南郡へ到着し、荊州は呉に敗れたこと、自身は呉に降伏したことを告げ、糜芳にも降伏をすすめる。
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糜芳は怒って、傅士仁のすすめを断る。
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その時、関羽(かんう)からの使者が到着し、「至急、南郡公安の両地方から米十万石を輸送せよ。怠れば、厳罰に処すべし」との伝達があった。
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まったく無理な注文に、糜芳は考え込んでしまう。
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傅士仁は関羽からの使者を斬り、糜芳に言った。「関羽は無理難題をいいつけ、荊州の敗因をわれらのせいにするつもりだ」
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城の外では呉の大軍が取り囲み、喊(とき)の声や鼓の音が地を震わせている。
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茫然自失している糜芳の腕をとり、二人は城を出る。
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実は、関羽からの使いは偽使者であり、虞翻の策であった。
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ふたりは孫権と対面した。
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一方、魏(ぎ)の曹操(そうそう)は関羽を攻めるため、大軍を率いて出陣していた。
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陽陵坡(ようりょうは)には、すでに先発していた徐晃(じょこう)の部隊五万が関羽に対峙(たいじ)している。
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曹操が出した軍使が徐晃へ、関羽の先鋒陣に一撃を加えよと伝える。
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徐晃は直ちに、兵を動かす。
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偃城(えんじょう)にいた関羽の子関平(かんぺい)は、徐晃の動きを知り、兵三千を率いて、徐晃とぶつかる。
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徐晃は関平に罵る。「荊州はすでに呉の孫権に奪られておるぞ」
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