奇計(きけい) 草莽の巻

内容

陳宮(ちんきゅう)が守る蕭関(しょうかん)の砦(とりで)を出た陳登(ちんとう)は、夜明けごろ、呂布(りょふ)の陣に帰って来た。
陳登(ちんとう)は「陳宮(ちんきゅう)は裏切りを計画している」という。
呂布(りょふ)は陳登(ちんとう)に「陳宮(ちんきゅう)に酒を飲ませて酔わせたあと、のろしの合図をして門を開けておけ」と命じ、蕭関(しょうかん)に戻らせる。
呂布(りょふ)軍は蕭関(しょうかん)を攻める体制をとる。

日が暮れた頃。陳登(ちんとう)は陳宮(ちんきゅう)に「曹操軍が徐州(じょしゅう)へ攻め入ったため、助けに向かえとの命令です」と言い、蕭関(しょうかん)の砦(とりで)を出て行く。
陳宮(ちんきゅう)は蕭関(しょうかん)のすべての兵を徐州(じょしゅう)へ向かわせる。

陳登(ちんとう)は無人である蕭関(しょうかん)の砦(とりで)に戻り、矢に密書を結び付け、山中に射ると、
しばらくして、大軍が蕭関(しょうかん)の砦(とりで)に入って行く。
陳登(ちんとう)はその様子を見届けると、のろしをあげる。

のろしを見た呂布(りょふ)は軍を蕭関(しょうかん)へ急がせる。

夜の暗闇の中。呂布(りょふ)軍と徐州(じょしゅう)へ向かう陳宮(ちんきゅう)軍がぶつかる。
同士討ちと気づいたときには、おびただしい損害をだしていた。
呂布(りょふ)は陳登(ちんとう)と陳宮(ちんきゅう)の言っていることが違っているため、呂布(りょふ)と陳宮(ちんきゅ)は蕭関(しょうかん)へ急ぎ向かう。

呂布(りょふ)と陳宮(ちんきゅう)の軍が蕭関(しょうかん)に着くと、砦(とりで)からに一斉に矢が放たれる。
砦(とりで)にいるのは曹操軍である。

夜が明け、呂布(りょふ)と陳宮(ちんきゅう)の軍は徐州(じょしゅう)に帰ることにした。

呂布(りょふ)と陳宮(ちんきゅう)の軍は徐州(じょしゅう)の城門に入ろうとすると、矢が雨のように降ってくる。
陳珪(ちんけい)と糜竺(びじく)は呂布(りょふ)を裏切ったのである。

呂布(りょふ)と陳宮(ちんきゅう)の軍は張遼(ちょうりょう)と高順(こうじゅん)が守る小沛(しょうはい)へ向かう。
前方から、張遼(ちょうりょう)と高順(こうじゅん)が全軍を率いて呂布(りょふ)らのもとに向かって来ている。
呂布(りょふ)が尋ねると「少し前に陳登(ちんとう)が来て、徐州(じょしゅう)を助けに向かえと言われたので」と言う。
呂布(りょふ)は激怒し、言う。「小沛(しょうはい)に行き、城を奪い返す」

呂布(りょふ)らが小沛(しょうはい)の城まで来ると、高やぐらで陳登(ちんとう)が笑っており、
うしろに控えている高順(こうじゅん)の軍めがけて、関羽と張飛の軍が攻めてくる。
呂布(りょふ)らは配下の侯成(こうせい)が守る下邳(かひ)へ逃げ落ちる。

曹操は劉備に「徐州(じょしゅう)の太守に」と言う。

曹操は、呂布(りょふ)を始末しないうちは許都(きょと)へ帰らない覚悟を決め、
劉備に「下邳(かひ)より淮南(わいなん)のあいだの道々を警備するように」と言う。

劉備はすぐに警備体制を整える。

×××

冬になり、曹操は下邳(かひ)の城を取り囲む。

二日ほど経ち、曹操は二十騎ほどしたがえて、城中にいる呂布(りょふ)を呼ぶ。

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