孔明・三擒三放の事(こうめい・さんきん・さんほうのこと) 三国志 出師の巻

・孟獲、三たび生け捕られる

あらすじ

諸葛亮に解放され、山城に戻った孟獲は董荼奴(とうとぬ)と阿会喃(あかいなん)の首を獲れと命じたので
蛮将たちは、諸葛亮の偽使者をつくって董荼奴と阿会喃を呼び出し、二人の首を斬った。

孟獲は蜀軍馬岱の攻撃に向かった。
しかしいるはずの馬岱の軍は、そこにいなかった。
土地の者は、河を渡って北岸へ退いたといった。

孟獲が本陣にもどると、弟孟優(もうゆう)が応援に来ていた。

孟優は北岸を渡り、蜀軍の陣門の前まで来て、兄孟獲に代わって、降参を告げに来たといった。

諸葛亮は、酒宴を開き、孟優を歓待した。
昼に始まった酒宴は、夜になっても終わらない。

孟獲は河を越え、酒宴の明かりを目じるしに、蜀陣のうしろに忍び寄っていた。
蜀陣のなかに飛び込むと、蜀兵はなく、孟優とその手下のみが打ち倒れていた。

罠であったことに気づいた孟獲は、弟孟優をかかえ、飛び出した。

一方からは魏延が、一方からは趙雲が迫ってきた。

孟獲は逃げるに必死なため、いつの間にか、抱えていた弟孟優を投げ捨てていた。

岸にあった一艘の蛮船に飛び乗り、「すぐに河を渡れ」と孟獲は命じた。

孟獲は縄で縛られて、諸葛亮の前にいた。
孟獲が飛び乗った蛮船には、馬岱軍の兵が忍んでいたのである。

孟獲は諸葛亮に命乞いをし、再戦を願った。
諸葛亮が「弟はどうした」と問うと、「生死もわからぬ」と孟獲は答えた。
帳(とばり)の奥から弟孟優が姿を見せた。

諸葛亮は、孟獲、孟優、捕虜としていた蛮兵を解放した。
孟獲は、弟孟優とともに、蛮地の南へ走り逃げていった。

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