内容
劉備は先日の青梅のお礼にと、相府へ向かう準備をしていた。
関羽と張飛は反対したが、
「行かなければ、また疑われる」劉備は言った。
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曹操と劉備が卓を囲んでいると、河北(かほく)の情報を集めて満寵(まんちょう)が帰って来たため、曹操はここへ来るように命じた。
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満寵(まんちょう)は報告した。
・北平(ほくへい)の公孫瓚(こうそんさん)が袁紹(えんしょう)に滅ぼされたこと。
・淮南(わいなん)の袁術(えんじゅつ)が兄袁紹(えんしょう)へ伝国(でんこく)の玉璽(ぎょくじ)を贈って、協力体制を築こうとしていること。
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「丞相(じょうしょう)の一軍をお貸し願いたい」劉備は曹操に申し出た。「袁術(えんじゅつ)が河北(かほく)に行くには、必ず徐州(じょしゅう)を通ります。一軍をお借りして、袁紹(えんしょう)、袁術(えんじゅつ)の野心を砕いてみせます」
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翌日。曹操は帝の許しを得て、五万の兵と二人の大将を劉備に貸した。
劉備はすぐに出発した。
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董承(とうじょう)は劉備を追いかけた。義文の書での約束を忘れたと思ったからだ。
「わが心は帝のそばを離れることはない」劉備は董承(とうじょう)に言い聞かせて別れた。
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郭嘉(かくか)は諸軍の見廻りから許都(きょと)へ戻った。劉備が大軍を借りて許都(きょと)を出たことを知り、すぐに曹操に会って、その無謀をなじった。
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許褚(きょちょ)は軽騎五百を率いて劉備を追いかけ、四日目に追いついた。
「丞相(じょうしょう)の命である。直ちに都へ戻りなさい」
「われは丞相(じょうしょう)の命を受けている」劉備は続ける。「出発する前、郭嘉(かくか)が賄賂を求めてきたが、拒んだため、その腹いせに丞相(じょうしょう)に告げたのであろう」
劉備はそう言い残し、一軍とともに去って行った。
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許褚(きょちょ)は都に戻り、ありのままを曹操に報告した。
曹操はすぐに郭嘉(かくか)を呼び、賄賂のことを問いただした。
「また劉備にあざむかれて、私を疑うとは」郭嘉(かくか)は顔色を変えて怒った。
「冗談だよ」曹操は笑って、郭嘉(かくか)をなだめた。
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