豆を蒔く(まめをまく) 五丈原の巻

内容

魏(ぎ)の都洛陽(らくよう)に知らせが入る。蜀(しょく)呉(ご)条約の発動により、呉軍が北上しているという。

魏帝曹叡(そうえい)は諸将へ命を下し、みずから合淝(がっぴ)の城へ向かう。

魏軍先陣である満寵(まんちょう)は、巣湖(そうこ)の辺まできて、呉(ご)の兵船が林の如く密集しているのを見て、急いで引き返し、曹叡に報告。

曹叡は直ちに軍議を開き、奇襲戦法を張球(ちょうきゅう)と満寵(まんちょう)へ命じる。張球は湖口へ、満寵は呉の水軍陣営へ向かう。

夜になり、魏軍は呉軍に夜襲をしかける。火雨のごとくたいまつを投げ、呉の船を焼きつくす。このときの呉の大将は諸葛瑾(しょかつきん)である。

大敗した諸葛瑾は沔口(べんこう)まで退き、味方の救援を求める。

荊州(けいしゅう)まで進めていた呉の陸遜(りくそん)のもとに、諸葛瑾大敗の報告が入る。

陸遜(りくそん)は第二段の作戦を開始。しかしその作戦は魏軍に漏れいた。

諸葛瑾は陸遜の陣営へ向かう。

陸遜の陣営では、兵は陣外に豆をまき、陸遜は碁を囲んでおり、戦闘態勢ではなかった。

諸葛瑾は陸遜に呉と魏の兵力を比較し、いったん本国へ引き返すべきだと提案。

陸遜は諸葛瑾に同意するが続けて言う。第二の作戦が魏軍に漏れたこともあり、退却する気配をみせると、魏軍がすぐに大追撃を起こすかもしれない。長期戦を決意していると魏軍に思わせなければならないと。

呉の諸葛瑾が沔口(べんこう)に戻ると、間もなくして諸葛瑾と陸遜の部隊は一夜のうちに長江の下流へ引揚げる。

魏帝曹叡(そうえい)は舌を巻いて褒める。魏軍の呉への二次作戦を実施する直前であったからだ。

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