内容
曹操と劉備は梅林をぶらぶらと歩いている。
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曹操はふたたび「天下の英雄は誰か」と劉備に問う。
「思いつきません」と劉備は返すと、
「民が噂する者でもよい」と曹操は言う。
劉備は「淮南(わいなん)の袁術(えんじゅつ)、河北(かほく)の袁紹(えんしょう)」と答えると
「袁術(えんじゅつ)は墓の中の白骨だ。袁紹(えんしょう)は勇気がなく、決断力がない」と曹操は笑って言う。
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いつの間にか小亭の前に曹操と劉備は来ていた。
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曹操と劉備は酒に酔った。
劉備は酒宴のお礼を告げ、席をたとうとすると、
曹操は自分の酒杯を劉備に突きつけ「まだ英雄論を語りつくしてはおらん」と言う。
劉備は曹操からの酒杯をうけ、曹操の英雄論に付き合う。
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劉備は「荊州(けいしゅう)の劉表(りゅうひょう)、呉(ご)の孫策(そんさく)、益州(えきしゅう)の劉璋(りゅうしょう)」の名をあげる。
曹操は「劉表(りゅうひょう)は酒色に溺れやすい。孫策(そんさく)は父の遺産を受けただけ。劉璋(りゅうしょう)は門を守る犬」と言い、笑った。
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曹操は言う。「英雄とは、大志を抱き、良計を持ち、時の流れを読んで、民の指揮を行う者だ」
「そのような方がおられましょか」と劉備が言うと、
「君と、予とだ」と曹操は答える。
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その時。空が一瞬青白く光り、大雨とともに雷が鳴った。
劉備は手にしていた箸を投げ、両耳をふさいで、おののき身をすくめる。
劉備の様子に、酒宴にいる美姫たちは笑いこける。
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その頃。南苑の門では、関羽と張飛が「門を開けろ」と叫んでいる。
門兵たちがふたりを左右から捕まえるが、投げ倒される。
ふたりは門を破り、梅林を駆け、小亭に着いた時には、
劉備は酒宴が終わり、帰るところだった。
劉備は関羽と張飛に守られながら、帰っていく。
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