洛陽に生色還る(らくようにせいしょくかえる) 三国志 五丈原の巻

あらすじ

司馬懿の軍は、二日の道のりを一日の速さで進んで行った。

途中、国もとから長安へ向かっていた徐晃の軍と遭遇した。
司馬懿は徐晃に先鋒の一翼を任せ、ともに進んていった。

一方、孟達は、金城の太守申儀(しんぎ)や上庸(じょうよう)の申耽(しんたん)と密盟をむすんでいるため、安心しきっていた。
しかし申儀と申耽は裏で腹を合わせており、魏軍が城下へ来たら、魏軍に内応する約束をしていた。

そうとは知らず、孟達は、洛陽に攻め入る日と軍議の日を、申耽と申儀へ早馬で伝えた。

ところがその日よりも早く、孟達が守る新城へ徐晃の軍が攻めてきた。
孟達は徐晃めがけて矢を放つと、その矢は徐晃を射抜き、馬から落ちた。

孟達の軍は城を出て、大将徐晃をなくした軍を追い崩した。

そのうち、司馬懿の旗が見えたので、あわてて城へ引き返した。

「城門を早く開けろ」と叫ぶと、門が開き、申耽と申儀の軍が現れた。
「裏切り者」と言われ、城頭からは矢が降ってきたので、孟達は逃げた。
しかし申耽に追いつかれ、後ろから斬られた。

新城を治めた司馬懿は、申耽と申儀の軍を連れて、長安へ向かった。
長安に来ている魏帝曹叡(そうえい)に会うためである。

曹叡は司馬懿の働きを褒め、「事の急なる時は、朕に告ぐるまでもない」という前例なき特権を与えた。

メモ

●玄機(げんき)
巧妙な手段。

●翩翻(へんぽん)
旗などがひるがえるさま。

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