臨江亭会談(りんこうていかいだん) 図南の巻

内容

呉(ご)の使者として諸葛瑾(しょかつきん)は劉備(りゅうび)に会い、孫権(そんけん)からの書簡を渡す。

孫権の書簡を劉備は引き裂く。

劉備は、荊州のうち長沙(ちょうさ)、零陵(れいりょう)、桂陽(けいよう)の三郡を呉へ還すことを書簡に書いて諸葛瑾へ渡す。

諸葛瑾は、数十日をかけて荊州(けいしゅう)へ向かい、関羽(かんう)に荊州三郡の返還を求める。

関羽は「断じて還さん」と大喝。

諸葛瑾は再び蜀へ向かったが、劉備は病中とあって会うことができず、弟の諸葛亮は郡県の巡察に出ていて留守のため、しかたなく呉へ帰る。

孫権は激怒するが、獄中へつないでおいた諸葛瑾の家族を、みな家へ帰す。

孫権は、長沙、零陵、桂陽の三郡に諸官吏を派遣し、今いる地方官吏を追い払って郡の政庁を奪い取れと厳命。

しばらくして、三郡に向かった官吏はみな、関羽の部下に追い払われ帰ってくる。

魯粛(ろしゅく)は関羽へ使いを出し、臨江亭(りんこうてい)での宴に招待。

宴が開かれる日。関羽は周倉(しゅうそう)だけを伴い、小舟に乗って向かう。

魯粛は関羽を上賓の席に案内し、酒をすすめ、歓待。

宴も半ばになった頃。魯粛は関羽に荊州返還を切り出すが、二人の意見は対立。

関羽の側に立っている周倉が口をはさむ。

関羽は席を立ち、「周倉、だまれっ」と叱ると、腕を伸ばして魯粛の腕をつかむ。

関羽は魯粛を連れて亭を降り、園を抜け、門外へ出て、江岸の波打ちぎわに着く。

呂蒙(りょもう)と甘寧(かんねい)は大兵を率いて関羽を討とうと待っているが、手を出せない。

周倉が寄せた小舟に関羽は飛び乗り、魯粛を岸へ戻す。

関羽を乗せた小舟は岸を離れ、去る。

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