呂蒙と陸遜(りょもうとりくそん) 出師の巻

内容

陸口(りっこう)の守りは呂蒙(りょもう)に代わって陸遜(りくそん)が赴任。

当時の陸遜は呂蒙より十幾歳も年下であり、無名であった。

陸遜は礼物に書簡をのせて、関羽(かんう)へ使いを立て、新任の挨拶を送る。

これで陸口に対する荊州(けいしゅう)の守りは楽になった、と関羽は笑った。

陸口の守りがゆるくなっているのを見ていた関羽は、陸口方面の兵力を不落樊城(はんじょう)へ動かす。

「時到る」陸遜はすぐに孫権(そんけん)へ急報する。

孫権は呂蒙を呼んで荊州攻めを命じる。

商人に扮した者が十艘の偽装商船に乗りこみ、商品を上に積んで先に江をのぼって行った。

闇の中、偽装商船は潯陽江(じんようこう)の北岸へ着く。

すぐに荊州の番兵に見つかり、偽商人は捕まるが、酒や珍味を献上したところ、夜明けすぐに船を移動することで許される。

偽商人は番兵みなに酒をふるまい、かくし芸をして楽しませる。

そのあいだに別働隊は山の裏から這い上がり、烽火台を占領。

夜が明けると、昨夜の偽装商船だけでなく、八十余艘の軍船も江上にあり、荊州の番兵はみな生捕られる。

上陸した呂蒙は捕虜たちに「次の烽火台を守っている番将を説き伏せて功をあげたら、取り立ててやる」と言った。

この策は次々に功を奏し、呉(ご)軍は荊州へ迫る。

呂蒙は降人の中から一隊を編成し、荊州城へ向かわせる。

降人は「門を開けろ。一大事がある」とわめいたため、城中の者は味方と思ったのか、門を開ける。

呉軍は荊州城の中へなだれ込む。

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