三花一瓶(さんかいっぺい) 桃園の巻

内容

劉備は城内の市からわが家に戻ると、ひとりの良き友と出会い、手放した剣が自分の手に返ってきたことを母に伝える。
母は「時が来たようだね」と劉備を励ます。

次の日。劉備の家に張飛がやってきた。
張飛は劉備を関羽に会わせたいというのだ。

劉備と張飛が外に出ると、百人ほどの軍隊がやって来て、劉備と張飛を取り囲む。
その時、「待てぇ」と叫びながら、偃月刀(えんげつとう)をもった関羽が馬に乗って駆けてきた。
関羽は「義弟張飛を召し捕り、太守の県城へ送り届ける」と言い、鞭で張飛の肩を打ち、縄で縛った。
関羽は言う。「関羽が張飛を逃がすと疑うならば、張飛の縄を解いて放つがどうする」
兵たちは皆退却した。

誰もいなくなると、関羽は張飛の縄を解き、詫びた。

関羽は、劉備が親孝行者だという噂を聞いており、劉備の素性をひそかに調べていた。
そして昨夜、張飛から劉備のことを聞いて確信した。
ただ、張飛の声は大きく、召使いの者にも聞こえおり、秘密の事柄が漏れてはいけないので昨夜は断ったというのだ。

関羽は劉備の前で膝を折り、礼儀正しく挨拶をした。

劉備は関羽を誘い、張飛とともに劉備の家に行き、劉備の母もまじって夜更けまで語り合った。

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