赤壁の大襲撃(せきへきのだいしゅうげき) 望蜀の巻

内容

夜の初更(しょこう)の頃。蔡和(さいか)の首を軍神へ供えた後、呉(ご)軍周瑜(しゅうゆ)は、最後の水軍に出航を命じる。

「青龍の牙旗を立てている船隊が向かってきます」と魏(ぎ)の番兵は叫ぶ。

魏軍程昱(ていいく)は「兵糧武具を満載した船ならば、深く沈んでいるはず。なのに眼の前に来る船はそうではありません」と言った。

魏軍文聘(ぶんぺい)は兵船七、八隻、快速の小艇十余艘を率いて、呉軍黄蓋(ごうがい)の船隊の前に出る。

黄蓋の船隊から一本の矢が放たれ、文聘の左の臂(ひじ)を射た。そして無数の矢が魏船に放たれる。

呉軍先頭の爆火船隊は炎とともに魏の巨船へぶつかる。

魏の巨船は鎖でつながれているため、一艦炎上すればまた一艦と炎は広がっていく。

炎は烏林(うりん)、赤壁(せきへき)の両岸にも燃え移る。

曹操(そうそう)は小船に移り、逃げる。

黄蓋は曹操を追う。

曹操を守る張遼(ちょうりょう)は矢を放ち、黄蓋は肩を射抜かれ、波の中へ落ちる。

烏林の岸へあがった曹操は、馬の背に飛び乗り、逃げる。

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