戦車と地雷(せんしゃとじらい) 三国志 出師の巻

・烏戈国(うかこく)の国王兀突骨、死す

・孟獲、七たび生け捕られる

あらすじ

この日は、烏戈国(うかこく)の国王兀突骨(ごつとつこつ)みずから指揮に立ち、江を渡ってきた。
蜀兵は、抗戦していたが、次第に崩れ、退却し始めた。
兀突骨は蜀軍を追いまくった。
蜀軍の魏延は、諸葛亮の指示どおり、戦っては敗れを繰り返し、十五日の間、退却を続けた。

この日は、兀突骨は白象に乗り、蜀軍の中にへ突入した。
魏延は兀突骨とぶつかり応戦したのち、盤蛇谷(ばんだこく)のふところへ逃げ走った。
蜀軍は十数両の箱車を置き捨ててあったので、兀突骨はそれを奪って持ち帰ることにした。

兀突骨の軍は、谷道の峡口(きょうこう)を出ようとしたとき、山上から巨木・巨岩が降ってきて、何百もの蛮兵がその下になった。
兀突骨は、断崖を登り、逃げようとしたが、山上から松明(たいまつ)が降り注ぎ、下に隠していた薬線に火がついて、兀突骨を含む三万の軍は焼け死んだ。

後方の陣屋に控え、兀突骨の勝利の知らせを待っていた南蛮王孟獲(もうかく)のもとに、蛮兵千人が迎えに来た。
孟獲は諸葛亮の最期を見とどけるため、白象に乗り、部下を率いて盤蛇谷に急いだ。
案内として、先を走っていた蛮兵は、気づくといなくなり、疎林から、山陰から、蜀兵が突如あらわれ、孟獲の軍に迫ってきた。

白象から飛び降りた孟獲は、林の中に逃げ走ると、前から一両の四輪車が現れた。
諸葛亮が一喝すると、孟獲は大きくうなって、気を失い倒れた。

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