孫権立つ(そんけんたつ) 孔明の巻

内容

毎夜午前二時ごろになると、孫策(そんさく)の枕元に于吉仙人(うきつせんにん)が現れ、孫策を苦しめた。
孫策は城外に野陣を張り、周りに三万の兵で守らせ、眠ることにした。
しかし于吉仙人は毎夜、孫策の枕元に立った。

孫策はやせ衰え、以前に斬られた古傷が破れた。
天命を悟った孫策は、わが弟孫権(そんけん)を助けよ、と諸将に言った。
内事は張昭(ちょうしょう)、外事は周瑜(しゅうゆ)に問え、と孫権には言い、呉の印綬を譲った。
孫策の息が途絶えた。
このとき、孫策は二十七歳、孫権は十九歳であった。

巴丘(はきゅう)にいた周瑜は急いで呉郡へ戻った。
孫権は周瑜に孫策の遺言を伝え、外事のことはお願いする、と言った。
周瑜は自身以上の人物として、魯粛(ろしゅく)を推薦し、魯粛は孫権に仕えることとなった。

魯粛は諸葛瑾(しょかつきん)という者を連れて、孫権に会わせた。
孫権は諸葛瑾を上賓として重用した。

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