曹操死す(そうそうしす) 三国志(九)出師の巻

・華陀、斬り殺される
・曹操、死す

あらすじ

ある日の夜が明けるころ、七名の武士が獄府へやってきて、獄中の華陀を斬り殺した。曹操の命である。
毎晩のように、曹操の夢の中にあらわれるのが理由であった。

呉の孫権から見舞いの使節がきた。
書簡には、臣孫権と書いてあり、魏が蜀を討つならば、呉軍はいつでも参戦し、魏軍を助けるとあった。
司馬懿(しばい)の薦めもあって、曹操は孫権を驃騎(ひょうき)将軍に任じ、南昌侯の印綬(いんじゅ)を送った。

建安二十五年、春正月下旬のころ、曹操は重臣すべてを枕頭に呼び、「長男曹丕(そうひ)を立てて長久の計をはかれよ。よろしいか」と言い残し、息を引き取った。
六十六年の生涯であった。

メモ

●早暁(そうぎょう)
夜が明けるころ。

●伺候(しこう)
貴人のそば近くに居て仕えること。

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