曹操死す(そうそうしす) 出師の巻

内容

ある日の夜が明けるころ、七名の武士が獄府へ向かい、獄中の華陀(かだ)を斬った。曹操(そうそう)の命である。毎晩のように、曹操の夢の中にあらわれるのが理由だった。

呉(ご)の孫権(そんけん)から見舞いの使節がきた。

書簡には、臣孫権と書いてあり、魏(ぎ)が蜀(しょく)を討つならば、呉軍はいつでも参戦し、魏軍を助けるとある。

司馬懿(しばい)の薦めもあり、曹操は孫権を驃騎(ひょうき)将軍に任じ、南昌(なんしょう)侯の印綬(いんじゅ)を送る。

建安(けんあん)二十五年春正月下旬のころ、曹操は重臣すべてを枕頭に呼び、「長男曹丕(そうひ)を立てて長久の計をはかれよ。よろしいか」と言い残し、最期の息を終える。六十六年の生涯であった。

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