正月十五夜(しょうがつじゅうごや) 図南の巻

内容

来春早々、都に火の災いがあるという管輅の予言が、曹操の心にひっかかった。

曹操は夏侯惇(かこうじゅん)をよぶ。夏侯惇は兵三万を与えられ、許都の郊外に駐屯。長史王必(おうひつ)に御林の兵馬を指揮させよ、と命じられる。

曹操の命を側で聞いていた司馬懿は、王必は酒を好み、油断のある男ですから、軍の統率を誤るかもしれないと進言。

しかし曹操は司馬懿の進言をきかなかった。

夏侯惇は許都に着き、曹操の指示を実行。

朝臣たちは、近衛の指揮を王必に代えたり、府外に三万の兵を待機させるのは、何か企みがあるに違いない。きっと皇帝を名乗るつもりだ、とささやく。

漢朝の旧臣である耿紀(こうき)と同志の韋晃(いこう)は、金褘(きんい)と故吉平(きっぺい)のふたり息子を仲間に加え、曹操を討つ計画を立てる。

年が明けた正月十五日は上元の祝日にあたり、金褘らはこの夜を決行の日と決める。

耿紀と韋晃は四百余人を、故吉平の息子たちは三百余人を集めて待機。

金褘(きんい)は王必からの招待をうけて、東華門の営へ出かけていた。

関連記事

次の章「御林の火(ぎょりんのひ)」へ進む

前の章「神卜(しんぼく)」へ進む

トップページへ進む