秋風陣(しゅうふうじん) 桃園の巻

内容

潁川(えいせん)にいた官軍朱雋(しゅしゅん)は黄巾賊の軍を追って、河南(かなん)へ移っていた。
劉備の軍は朱雋(しゅしゅん)を追って、河南(かなん)へ向かい、合流した。

翌日、官軍朱雋(しゅしゅん)の命令により、劉備の軍は約三十里ほど先の山地に陣取る黄巾賊の軍へ向かう。

劉備軍の兵は黄巾賊張宝(ちょうほう)の妖術に震え上がる。
劉備、関羽、張飛は軍の中から強者(つわもの)を選別し、絶壁をよじ登って相手の意表を突き、張宝(ちょうほう)の本拠地を攻める。
劉備の放った一矢が張宝(ちょうほう)のこめかみを射る。
黄巾賊の軍は崩れ、劉備の軍は勝利する。

黄巾賊張宝(ちょうほう)が討たれたと聞いた黄巾賊張梁(ちょうりょう)は陽城(ようじょう)に立て籠もる。
そんな折、黄巾賊総帥張角(ちょうかく)が病により亡くなり、官軍董卓(とうたく)と皇甫嵩(こうほすう)の軍が張角(ちょうかく)率いる軍を滅ぼしたとの知らせが入る。
官軍朱雋(しゅしゅん)は焦って、張梁(ちょうりょう)が立て籠もる陽城(ようじょう)の総攻撃を開始する。
城内にいる張梁(ちょうりょう)の配下厳政(げんせい)は張梁(ちょうりょう)の首を獲って、降参した。
朱雋(しゅしゅん)の軍は、黄巾賊孫仲(そんちゅう)・韓忠(かんちゅう)・趙弘(ちょうこう)が籠る宛城(えんじょう)へ向かう。

宛城(えんじょう)では、官軍は四門のうち東南(たつみ)の一門だけを開き、三門から鼓をならし、火を放つ。
官軍朱雋(しゅしゅん)は黄巾賊韓忠(かんちゅう)を鉄弓で射とめる。
しかし黄巾賊は反撃に転じて、官軍を十里も後ろへ後退させ、ふたたび宛城(えんじょう)に閉じこもる。

孫堅(そんけん)が千五百の兵を率い、官軍朱雋(しゅしゅん)の陣営に加わる。

翌日。黄巾賊が立てこもる宛城(えんじょう)を攻める。
孫堅(そんけん)は、黄巾賊趙弘(ちょうこう)を斬る。
劉備の放った一矢は東門から逃げる黄巾賊孫仲(そんちゅう)を射抜く。
その後、官軍は南陽の諸郡も平定し、黄巾賊の暴徒は影をひそめた。

官軍朱雋(しゅしゅん)らは洛陽(らくよう)へ凱旋する。
城内城下は、七日七夜のあいだ酒と音楽に酔っている。
しかし外城の外にいる劉備の軍は枯れ木や草を集めてたき火をしながら寒さをしのいでいる。
官職がないため、劉備の軍は城内に入れないのだ。

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