大歩す臣道(たいほすしんどう) 臣道の巻

内容

張遼(ちょうりょう)はふたたび関羽のいる場所へ登って来て、言った。「三つの条件を丞相(曹操)は受け入れられた。ともに山を降りよう」
「二夫人のお考えを聞かなければならない。麓にいる軍を三十里外に退かせてほしい」関羽は言った。
曹操軍は囲みを解いて退いた。

関羽は下邳(かひ)城に着き、劉備の妻室甘夫人(かんふじん)と側室の糜夫人(びふじん)に会った。
関羽はいきさつを説明し、二夫人の許しを得た。

関羽は残兵十騎ばかりを従えて、曹操の陣門を訪れた。
曹操は門まで出て、関羽を迎えた。それは賓客を迎えるようであった。

次の日。曹操軍は許都(きょと)へ戻った。
関羽と二夫人もその中にいた。

関羽は一館をもらい、深院に二夫人を、外院に関羽とその兵が住んだ。

数日後。曹操は関羽を参内の車に誘った。
帝の許しを得て、曹操は関羽を偏将軍(へんしょうぐん)に任じた。
酒宴を開き、関羽を祝った。
酒宴が終わると、金銀の器物など多くの宝物を関羽に贈った。

曹操は、三日に小宴、五日に大宴を催し、関羽と会っていた。

曹操は美女十人を集め「関羽を口説き落としたら、おまえたちの望みをかなえてやる」と言った。
関羽は美女十人を二夫人の侍女にした。

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