藤甲蛮(とうこうばん) 三国志 出師の巻

・蜀軍、烏戈国の兀突骨と戦う

あらすじ

諸葛亮に敗れた孟獲(もうかく)は、帰る国もなくなり、烏戈国(うかこく)の国王兀突骨(ごつとつこつ)を頼った。
兀突骨は、孟獲の残兵と合わせて十余万の兵を率いて、桃葉江に陣を敷いた。

諸葛亮の命を受けた魏延は、桃江へ向かう途中、兀突骨の兵とぶつかったため、一斉に矢を放った。
矢は兀突骨の兵にあたってもはね返し、白兵戦になっても、刀が兀突骨の兵の体をとおさない。
対して蜀兵は兀突骨の兵に斬り立てられ、大混乱となった。

角笛が鳴ると、兀突骨の兵は引きあげていった。
江を渡るとき、兀突骨の兵は江の流れに身を浮かせて、対岸へ上がって行った。

次の日、諸葛亮は、桃葉江岸の地勢を見て回り、馬岱(ばたい)・趙雲・魏延に策を命じた。

魏延の軍は、北岸に陣屋を作りだした。
兀突骨の兵は、江を渡り、蜀軍の陣屋を襲撃した。
魏延の軍が逃げると、兀突骨の兵は深追いせずに、元の対岸へ引き揚げていく。

魏延の軍は、ふたたび北岸に戻り、陣屋を作りだした。
兀突骨の兵は、ふたたび江を渡り、蜀軍の陣屋を襲撃した。

メモ

●烏戈国(うかこく)
未詳。後漢末に活動した烏滸人(現在の広西チワン族自治区と関わる。

●藤甲(とうこう)
山藤(やまふじ)の蔓(つる)を枯らし、油に浸(ひた)して陽にさらしてを何十回と繰り返して、編んで作った鎧のこと。この鎧は、水を透(とお)さず、非常に軽く、水に浮き、弓も刀も刃が立たないほど強靱である。

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