内容
宮中の侍郎(じろう)王粲(おうさん)らは「丞相(じょうしょう)は魏(ぎ)王の位につくべきだ」と言い出す。
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荀攸(じゅんゆう)は「王は最上の爵位。高祖は劉(りゅう)氏一族のみに限ると法に定めている」と王粲らに反論。
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曹操は「ばかなやつだ」と立腹。
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そのことを伝え聞いた筍攸は自ら謹慎し、その年の冬、命を落とす。
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宮廷の諫議郎(かんぎろう)趙儼(ちょうげん)は、魏王に関する話をもらさず帝へ報告。
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ある日。趙儼は市中へ引き出されて、斬られる。
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伏(ふく)皇后の勧めにより、献帝は皇后の実父伏完(ふっかん)宛に秘勅の一文をしたためる。
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朝臣である穆順(ぼくじゅん)は献帝の文を預かる。
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禁門を出て行く穆順を見た朝臣は、すぐに曹操へ密告。
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深夜になり、穆順は帰ってきた。
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「待て」と、門の陰から声がし、曹操が立っている。
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穆順の体を調べると、頭の上で髪を束ねているお団子部分から一通の紙片が見つかる。
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その紙片は伏完から娘の伏皇后にあてたものであり、曹操を権力の座から引きずり下ろすための策が書かれている。
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曹操は伏完の返簡を袖に納め、穆順を拷問にかけるようにと命じ、府へ戻る。
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夜どおし、拷問を受けた穆順は一言も吐かない。
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伏完の宅を調べた兵たちは、帝の内詔(ないしょう)を見つけ、曹操に渡す。
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御林(ぎょりん)将軍郗慮(ちりょ)は皇后を捕らえるため、兵を引き連れ内裏へ入る。
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伏皇后は、内裏の朱庫の中へ隠れる。
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郗慮は朱庫の扉が開かないため、尚書令(しょうしょれい)の華歆(かきん)を呼ぶ。
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朱庫の扉を破り、中へ入ったが、誰もいない。
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華歆は剣を抜いて壁を切り開くと、伏皇后は悲鳴をあげて転げ出る。
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曹操の命により、伏皇后は鞭や棒で乱打され、命を奪われる。
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この日。宮衙門(きゅうがもん)の街辻で、伏完の一門から穆順の一族縁類まで、二百何十人という男女老幼の首が斬られる。
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建安(けんあん)十九年十一月。曹操は帝へ拝謁し、自身の娘を皇后にすすめる。
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翌春の正月。曹操の娘は皇后の位につき、曹操は国舅(こっきゅう)という身分を加える。
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