内容
蜀（しょく）に捕らわれていたはずの孟獲（もうかく）が戻ってきたので、南蛮兵は驚く。
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孟獲が脱出したときの嘘話に、部下は疑う様子もない。
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しかし先に諸葛亮（しょかつりょう）に解放された阿会喃（あかいなん）と董荼奴（とうとぬ）は孟獲の話しを聞いて、何か言いたげな表情をする。
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孟獲はある策を思いついたらしく、一夜のうちにどこかへ後退。
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諸葛亮は、即日、軍を進ませる。
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時は五月の末。蜀軍の先陣は瀘水（ろすい）の前に出る。
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対岸には堅固な敵の要塞がある。
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諸葛亮は、軍を瀘水の岸から百里ほど退陣。
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呂凱（りょがい）が差し出した南方指掌図にしたがって幕営を張り、そこで人馬を休める。
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そこに、蜀の都から多くの薬と糧米が届く。
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指揮官は馬岱（ばたい）であり、兵三千を伴っている。
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馬岱は諸葛亮の策により、兵を引き連れ下流へ向かう。
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馬岱の部隊は河を渡り、半ばまで進んだとき、馬も人もたちまち溺れて流された。
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馬岱は急いで、兵を戻らせる。
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現地の人に聞くと、この河は昼の間は水面に毒が漂うが、夜半になると毒にあたらないという。
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馬岱の部隊は深夜になるのを待って河を渡り、大山（たいせん）の谷を挟んで陣を取る。
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諸葛亮が言ったとおり、蛮軍の輸送隊がここを通って糧食を運んでいる。
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馬岱の部隊は輸送隊を襲い、兵糧を奪う。
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このことを知った孟獲は忙牙長（ぼうがちょう）を呼び、馬岱の首を獲るよう命じる。
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忙牙長は猛力無双な男である。すぐに馬岱の部隊へ向かう。
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しばらくすると忙牙長の手下だけが逃げ帰ってきた。忙牙長は馬岱のひと振りに斬られたのである。
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