古城窟(こじょうくつ) 孔明の巻

内容

関羽は馬を降り、周倉(しゅうそう)のそばに寄り、起こした。
「将軍(関羽)にお仕えさせてください」周倉は言った。
関羽は甘(かん)夫人と糜(び)夫人にお伺いをたてた。
二夫人は、山賊を従えては世にはばかられる、と言った。
関羽は周倉に、ひとまず山に帰って時節を待て、と言ったが、周倉は、手下の者は裴元紹(はいげんしょう)に預けますので、私だけでも、と懇願した。
関羽はふたたび二夫人に伺うと、許しがでた。

関羽らは、彼方の険しい山中に古城を見た。
周倉はどこからか土地の者を引っ張ってきた。
「三か月ほど前に、張飛と名乗る者が、五十騎ほどの手下を連れて古城を奪い取り、立て籠もっています」土地の者は言った。
孫乾(そんけん)は古城へ向かった。
張飛は関羽が来ていることを知ると、部下に出陣の命を出し、門から駆け出した。

張飛は関羽を見つけると「この裏切り者」と叫び、蛇矛で関羽を襲った。
二夫人や孫乾が説得するも、張飛の耳には入らなかった。

後方から軍馬が追ってきた。
張飛は、関羽が曹操の部下とともに張飛を捕らえようとしている、と疑っていた。
「三回、鼓を打つあいだに追手の大将の首を斬ってみろ」張飛は言った。
追手の大将は蔡陽(さいよう)と名乗り、関羽が斬った秦琪(しんき)は甥だと言った。
鼓が三回鳴り終わる前に、関羽は蔡陽の首を張飛の前に放り投げると、ふたたび敵を蹴散らしに行った。
関羽への疑いが消えた張飛は、関羽ともに敵を蹴散らした。
張飛は関羽、二夫人を古城へ迎え入れた。

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