黄忠の矢(こうちゅうのや) 望蜀の巻

内容

劉備(りゅうび)配下の張飛(ちょうひ)は兵三千を率い、武陵(ぶりょう)へ向かう。

武陵城将の鞏志(きょうし)は、張飛に降伏することを太守金旋(きんせん)に勧める。

金旋は鞏志を斬ろうとするが、周りが諫めたため、命だけは許し、自身は城を出て張飛を待つ。

張飛に蹴散らされた金旋は、城に戻る。

楼門の上から鞏志は金旋に矢を放ち、首を獲って、張飛を迎え入れる。

荊州(けいしゅう)を守る関羽(かんう)は、自身に長沙(ちょうさ)攻略を命ぜよと、劉備に訴える。

劉備は張飛を荊州へ向かわせ、関羽と交代させ、兵五百を与えて長沙へ向かわせる。

長沙の城中から老将黄忠(こうちゅう)があらわれる。

関羽の偃月(えんげつ)の青龍刀と黄忠の大刀がぶつかる。

太守韓玄(かんげん)は退(ひ)き鉦(がね)を打つ。

黄忠は城へ向かうが、関羽は追撃。

関羽は大青龍刀を振りかぶったが、黄忠に振り降ろさない。

黄忠は何かにつまずいた馬とともに地に転んでいる。

関羽は自陣へ引き返す。

夜が明けると、ふたたび関羽は城下へ迫る。

関羽と黄忠はぶつかる。

黄忠は橋の辺りまで逃げて振り返り、追う関羽に弓の弦(つる)をぶんと鳴らし、橋を越えてふたたび弦をぶんと鳴らす。

三度目には、黄忠は矢を放ち、関羽の兜の緒を射止める。

関羽は退く。

太守韓玄は城中へ戻った黄忠を「斬れ」と怒鳴る。

韓玄配下の魏延(ぎえん)は黄忠を刑場からさらい、半刻の後に韓玄の首を斬って、関羽の陣門へ降る。

関羽は長沙の城を占領。

劉備は諸葛亮ととともに長沙に入る。

宅に閉じこもる黄忠のもとへ劉備は訪れ、黄忠はその礼に感じて門を開き、降参。

関羽は魏延を連れ、劉備の前に現れる。

諸葛亮は魏延を「主君を斬る不忠不義」と言い、「斬れ」と命じる。

劉備は諸葛亮をなだめ、魏延は助かる。

故劉表(りゅうひょう)の甥劉磐(りゅうはん)が野に隠れていることを黄忠から聞いた劉備は、捜し求めて長沙の太守にする。

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