内容
蜀(しょく)の劉璋(りゅうしょう)は気が弱く、策もなかった。
漢中(かんちゅう)の張魯(ちょうろ)だけでなく、曹操(そうそう)も蜀を狙っていることを知った劉璋は、ただただ不安に駆られていた。
「孟達(もうたつ)と法正(ほうせい)を使いに出し、荊州(けいしゅう)の劉備(りゅうび)に頼るように」張松は進言した。
しかし黄権(こうけん)と従事官王累(おうるい)は、劉備を引き入れるのに反対した。
劉璋は反対の意見を退け、張松のすすめを受け入れた。
法正は劉璋の書簡を持つと、荊州へ向かった。
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劉備は、蜀の法正が来たことを知ると、すぐに招き入れ、劉璋の書簡を見た。
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その日の夜。劉備は一室にこもり、考えこんでいた。
「何を心配しておいでなのか」龐統(ほうとう)が問うた。
「劉璋は同族であり、その者をあざむいて蜀を取ることは、仁義に反する」
龐統(ほうとう)は劉備に丁寧に説明をした。
「張松たちが、予を迎えようとするのも、天意というものであろう」劉備は納得した。
法正を客館まで送って行った諸葛亮が戻ってくると、劉備、龐統、諸葛亮の三人で軍議を開いた。
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次の日。入蜀を決めた劉備は法正にそのことを伝えた。
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蜀への遠征軍は、劉備、龐統、黄忠(こうちゅう)、魏延(ぎえん)、関平(かんぺい)、劉封(りゅうほう)と兵五万とした。
荊州の守りは、諸葛亮(しょかつりょう)、関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)、趙雲(ちょううん)が残った。
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