増長冠(ぞうちょうかん) 草莽の巻

内容

袁術(えんじゅつ)第六軍の韓暹(かんせん)は、ここから徐州へ通じる道を抑え、山中の嘯松寺(しょうしょうじ)に陣を置く。

陳珪(ちんけい)は羊を連れて韓暹(かんせん)を訪れ、手土産に羊を渡す。

日が暮れると、陳珪(ちんけい)と韓暹(かんせん)は二人で松の木の下に移動し、
陳珪(ちんけい)は言う。「韓暹(かんせん)殿は、帝が長安(ちょうあん)から洛陽(らくよう)へ戻られる際に、帝の車を守っておられた忠臣である。なぜ偽帝袁術(えんじゅつ)に仕えるのか」
韓暹(かんせん)は「帝に仕えたい」と本心を吐く。
陳珪(ちんけい)は言う。「楊奉(ようほう)を誘って、袁術(えんじゅつ)を裏切るように」

袁術(えんじゅつ)から七軍へ命令がとび、一斉に徐州(じょしゅう)城を攻める。戦いは開始された。

夜が明けると、袁術(えんじゅつ)第一軍張勲(ちょうくん)を、第六軍韓暹(かんせん)と第七軍楊奉(ようほう)が裏切って攻め込む。
この機に、呂布(りょふ)は袁術(えんじゅつ)軍の中央を攻める。

呂布(りょふ)、韓暹(かんせん)、楊奉(ようほう)の連合軍は袁術(えんじゅつ)軍を破り、袁術(えんじゅつ)は逃げ走る。

逃げる袁術(えんじゅつ)のもとに、劉備配下の関羽が追ってくる。呂布(りょふ)を助けに来たのだ。

袁術(えんじゅつ)は紀霊(きれい)をしんがりに残し、淮南(わいなん)へ帰る。

この戦い以降、呂布(りょふ)は陳珪(ちんけい)を信用するようになり、
陳珪(ちんけい)の提案により、韓暹(かんせん)を沂都(ぎと)へ、楊奉(ようほう)を瑯琊(ろうや)へ赴任させる。

袁術(えんじゅつ)は孫策(そんさく)へ「力をあわせて呂布(りょふ)を討とう」と使いを送る。
孫策(そんさく)の返事は「覚悟しておけ」だった。
袁術(えんじゅつ)は「すぐに呉へ出兵せよ」と激怒したが、配下の者にいさめられる。

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