あらすじ
一
黄蓋が静まりかえった大堂に現れ、文官武官の無礼を諸葛亮に詫びた。そして、奥へ案内した。
二
孫権は諸葛亮に、曹操の兵力を尋ねた。
「少なく見積もっても百万。良将は二、三千人。軍は呉を攻めるため向かっております」と諸葛亮は答えた。
「戦うべきか、戦わないがよいか」
「父兄のお志を継ぐならば、わが主君とともに戦うべきでしょう。もし、諦めておられるのなら、降伏するのです。曹操の前にひざまずき、憐みを乞うて降伏すればよいのです」
三
諸葛亮はつづけた。
「閣下には天下を争いたいというお気持ちがおありでしょう。ところが、古参の文官武官らは反対して何事もないことを願っています」
「なぜ劉予州に降伏をすすめないのか」と孫権は尋ねた。
「わが主君は王室の宗親。下輩曹操に降伏するはずがありません。もし、主君へ降伏をすすめましたら、たちどころに首を斬られるでしょう」
孫権は顔色を変えた。そして後閣へ退いてしまった。
魯粛は諸葛亮をたしなめた。
諸葛亮は、気量の狭いお方には曹操を討つ大策は言えませんと告げた。
魯粛は孫権のあとを追って後閣へ入り、もう一度、諸葛亮にお会いくださいと勧めた。
四
孫権はふたたび諸葛亮の前へ出た。そして、諸葛亮の説明を聞き、曹操との戦いを決めた。
開戦の知らせを聞いた文官武官たちは顔色が青くなった。
非戦派の張昭らは孫権を「君ご自身と滅んだ袁紹とを比べてください」と諫めた。
五
孫権は居心地が悪くなったのか、奥の私室へ入っていった。
開戦反対派と開戦賛成派は数の上では、七対三ぐらいにわかれている。
孫権は食事もとらずに、悩み苦しんでいた。
呉夫人は孫権に、孫策の遺言を思い出させた。「内事は張昭に、外事は周瑜に計るべし」
孫権は鄱陽湖で水軍の調練にあたっている周瑜を呼んだ。