・徐盛と孫韶、対立する
あらすじ
呉と蜀が同盟を結んだことを曹丕は知り、激怒した。
魏の黄初(こうしょ)五年秋八月、魏の大艦隊は呉へ向かった。
呉の孫権は、徐盛を都督に任命し、魏の大艦隊にあたらせた。
徐盛は、魏軍の上陸を待って攻撃する作戦を主張したが、孫権の甥孫韶(そんしょう)は、呉軍みずから攻撃に出る作戦を主張し、対立した。
孫韶は、徐盛が許さなくても、みずから攻撃に出ると駄々をこねた。
徐盛の堪忍袋の緒は切れ、「孫韶の首を斬れっ」と命じた。
武士達は、孫韶を引き連れ出したが、呉王孫権の甥であるため、刑を執行しようとする者はでなかった。
そうこうしている間に、知らせを聞いた孫権が、馬をとばして、孫韶を助けた。
徐盛は孫権を迎え、「軍法を破る者を助けることは、大王ご自身が軍法を破ることになるのです」と責めた。
孫権は「ゆるせ」と繰り返すのみだった。
メモ
●艨艟(もうどう)
軍艦。
●振粛(しんしゅく)
緩んだ気風などをふるい起こし、引き締めること。