あらすじ
一
曹操は政務で手がいっぱいになっていたが、荀攸の言葉で思い出した曹操は、劉備追撃を決めた。
その道案内に荊州の旧臣、文聘を命じ、急がせた。
二
一方、劉備は百姓たちを連れているため、まだ道なかばにすぎなかった。
江夏へ援軍を頼みにやった関羽からの連絡がないため、諸葛亮が江夏へ向かった。
諸葛亮と別れた二日後の真夜中、曹操軍が襲ってきた。
長坂坡の畔に劉備が逃げのびると、そこには文聘が待ち構えていた。
劉備は「敵将曹操に媚び、きのうの友に嚙みつくとは何事ぞ」と罵った。
文聘は顔を赤らめながら、駆け去った。
三
劉備が逃げる先には、伏兵が置かれており、見渡せば、妻子、老少、糜竺、糜芳、趙雲、簡雍らと離れ、バラバラになっていた。
そこへ傷を負った糜芳が劉備に追いついた。
糜芳は「趙雲が味方から抜けて、曹操軍の方へ駆けていきました」と告げた。
ここに追いついてきた張飛も「それを見たという声がが多い」と同意した。
張飛は二十騎ばかりの部下を連れ、長坂橋へ向かった。
東岸に密林があったため、馬の尾に木の枝を結び付け、林の中を往来させた。
張飛はひとり、長坂橋の上に馬を立てた。
一方の趙雲は、甘夫人・糜夫人・幼主阿斗の守護をいいつけられていたため、行方を捜していたのだ。
四
逃げまどう数万の百姓たちのなかで、簡雍が倒れていた。
趙雲は簡雍を馬の背に乗せ、部下をつけて先へ送った。
趙雲は夫人らを探しに馬を飛ばした。
数百人の百姓老幼の一群のなかから、甘夫人が趙雲の前に転び出た。