兵学談義(へいがくだんぎ) 望蜀の巻

内容

曹操(そうそう)が謀った敵中作敵の計は成功した。
馬超はわずか百騎に足らなぬ兵とともに、渭水(いすい)の仮橋まで逃げた。

曹操配下の于禁(うきん)は馬超に迫った。
馬超は蹴散らし、渭水の橋の上に立って、味方の集合を待った。

夜は明けたが、集まるのは曹操軍の兵の声と曹操軍の兵が射る矢ばかりである。
馬超は橋上を駆けだし、曹操軍へ突っ込んだ。
馬超に従う者は次々と姿を消し、馬超ただ一騎となった。
そこに西北の方から馬岱(ばたい)と龐徳(ほうとく)の部隊が駆けてきて、曹操軍の側面を突き、曹操軍を蹴散らした。
そして馬超を助け、遠くへ落ちていった。

曹操は許都へ戻った。
献帝(けんてい)は、漢の相国(しょうこく)蕭何(しょうか)の如くせよ、と仰せられた。
それは、曹操は履(くつ)のまま殿上に昇り、剣を佩(は)いて朝廷に出入りすることを許すことであった。

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