一帆呉へ下る(いっぱんごへくだる) 赤壁の巻

内容

「劉備(りゅうび)を逃したら野に虎を放つようなものでしょう」荀彧(じゅんいく)は曹操(そうそう)を励ました。
曹操(そうそう)は劉備をどこまでも追って行った。

漢江(かんこう)の渡口まで追いつめられた劉備らの前に、劉琦(りゅうき)から一万の兵と船を借りた関羽(かんう)がやってきた。
劉備らは急いで船に乗り、岸を離れた。

しばらくすると、江夏(こうか)城から劉琦自身も船を率いて、援けにきた。
数里ほど進むと、諸葛亮(しょかつりょう)が兵船をともないやってきた。ほかの船には孫乾(そんけん)も乗っていた。
劉備らは江夏城へ入った。

劉備の勢いは衰退したため、曹操は軍を止め、荊州(けいしゅう)へ引き返した。

荊州に留まり、曹操は長年の懸案である呉(ご)の対策に乗り出した。この対策が成功しなければ、統一の覇業は成功しないのである。
西は荊陜(けいせん)から東は蘄黄(きこう)にわたる三百里に火を置いて陣線をひき、呉の境を威圧した。

魯粛(ろしゅく)は、曹操と劉備の実情を探るため、江夏に向かった。口実は、故劉表(りゅうひょう)の喪をとむらうの使いであった。

魯粛(ろしゅく)は、劉琦、劉備と対面した。
諸葛亮は孫権との交渉を行うため、魯粛とともに呉へ向かった。

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