孔明・風を祈る(こうめい・かぜをいのる) 赤壁の巻

内容

竜巻によって二つに折れた旗竿の下に周瑜(しゅうゆ)は下敷きになった。

魯粛(ろしゅく)は諸葛亮(しょかつりょう)のいる船へ急ぎ、二人で周瑜を見舞った。

諸葛亮は「あなたは体の病ではなく、心の病です」と言い、周りの人達を退けた。

諸葛亮、周瑜、魯粛の三人だけになると、諸葛亮は紙に周瑜の悩みを書いて見せた。

紙には、「東風さえ吹けば、曹操を破ることができるのに」とあった。

諸葛亮は「東南の風がおのぞみならば、風を祈ってみますが」と言った。

周瑜は「南屏山(なんびょうざん)に七星壇(しちせいだん)を築け」と指示をだした。

十一月二十日。諸葛亮は身を清め、白の道服を着て、素足のまま七星壇へのぼり、三日三夜の祈りを始めた。

東南風(たつみかぜ)が吹いた。

周瑜は丁奉(ていほう)と徐盛(じょせい)をよび、南屏山へ向かわせた。

丁奉の部隊が南屏山に着いたときには、七星壇に諸葛亮の姿はなかった。

長江の岸まで来ると、諸葛亮を乗せた一艘の船は遠くにあった。

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