内容
曹操(そうそう)の面前には、黄蓋(こうがい)の使いである闞沢(かんたく)がいた。
侍臣が持ってきた蔡和(さいか)と蔡仲(さいちゅう)からの書状を卓の陰で読み終えた曹操は、「予は一点の疑いも抱いておらん」とへ言い、闞沢の申し出を受け入れた。
闞沢は曹操との再会を約束して、帰る小舟に乗った
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呉の陣所へ戻った闞沢は、さっそく黄蓋と密談をし、そのあと甘寧(かんねい)のもとへ行った。
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闞沢と甘寧は「不愉快だ。我慢がならぬ」と周瑜への不満をもらしかけたが、蔡和(さいか)と蔡仲(さいちゅう)のふたりが近くにいたため、隣室へ移った。
蔡和と蔡仲は顔を見合わせた。
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ある日の夕方。闞沢と甘寧は密談をしていた。
蔡和と蔡仲は陣幕(とばり)の外に耳を寄せて、なかの話を盗み聞きしていた。
その時、夕風が吹いて陣幕がめくれ、蔡和の半身を中の二人は見た。
甘寧と闞沢は、蔡和と蔡仲に詰め寄った。
蔡和と蔡仲は、曹操の密命をうけて呉(ご)に降伏して来た者だと打ち明けた。
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その日の夜。甘寧、闞沢、蔡和、蔡仲の四人はおそくまで酒を飲んだ。
この場で、蔡仲と蔡和はこのことを報告する文を書き、闞沢も書簡を書いて、江北の魏軍へ送った。
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