吉川三国志

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溯巻く黄河(さかまくこうが) 孔明の巻

内容槍の先に白い布をくくりつけ、それを振りながら、許攸(きょゆう)は曹操の陣に現れた。曹操は許攸から事情を聞き、受け入れた。↓曹操は許攸に袁紹を破る計を求めると、兵糧はどれくらい残っているのか、と許攸は逆に問うた。「半年」と言うと、許攸はひ...
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霹靂車(へきれきしゃ) 孔明の巻

内容孫権は、河北(かほく)の袁紹(えんしょう)と絶縁することにした。袁紹の使者陳震(ちんしん)は、軍事同盟締結のために呉に来ていたが、追い返された。↓袁紹は激怒していた。使者は追い返され、孫権と曹操が連携したためだ。曹操打倒のため、袁紹は大...
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孫権立つ(そんけんたつ) 孔明の巻

内容毎夜午前二時ごろになると、孫策(そんさく)の枕元に于吉仙人(うきつせんにん)が現れ、孫策を苦しめた。孫策は城外に野陣を張り、周りに三万の兵で守らせ、眠ることにした。しかし于吉仙人は毎夜、孫策の枕元に立った。↓孫策はやせ衰え、以前に斬られ...
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于吉仙人(うきつせんにん) 孔明の巻

内容孫策(そんさく)の監視隊は、渡江中であった呉郡太守許貢(きょこう)の使者を捕らえ、呉の本城へ送った。取り調べると、使者は曹操宛の密書を持っていた。孫策は都を攻めのぼる準備をしている、という内容であった。孫策は許貢の居館へ兵を向け、許貢を...
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兄弟再会(きょうだいさいかい) 孔明の巻

内容関羽らを迎えた翌日。劉備配下の糜竺(びじく)と糜芳(びほう)兄弟は四、五十騎の一隊を率いて古城へやって来た。↓次の日。関羽は孫乾(そんけん)を連れ、劉備のいる汝南(じょなん)へ向かった。↓関羽らは汝南城で劉辟(りゅうへき)に会った。「劉...
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古城窟(こじょうくつ) 孔明の巻

内容関羽は馬を降り、周倉(しゅうそう)のそばに寄り、起こした。「将軍(関羽)にお仕えさせてください」周倉は言った。関羽は甘(かん)夫人と糜(び)夫人にお伺いをたてた。二夫人は、山賊を従えては世にはばかられる、と言った。関羽は周倉に、ひとまず...
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のら息子(のらむすこ) 孔明の巻

内容関羽らの乗った船は北の岸に着いた。甘(かん)夫人と糜(び)夫人の乗る車を陸に揚げ、草原のなかを進んだ。↓数日後。関羽のもとに彼方からひとりの男が馬を走らせ近づいてきた。その男は劉備配下の孫乾(そんけん)だった。「ご主君(劉備)は河北(か...
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五関突破(ごかんとっぱ) 孔明の巻

内容関羽らは胡華(こか)の家を立ち、洛陽(らくよう)へ向かった。↓途中に東嶺関(とうれいかん)という関所がある。曹操配下の孔秀(こうしゅう)が守っていた。孔秀は通行手形を求めたが、関羽は持っていないため、通さなかった。関羽は青龍刀を振り上げ...
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関羽千里行(かんうせんりこう) 孔明の巻

内容明け方。見廻り隊が関羽の邸の前を通った。門が開いている。奥に入っていくと、曹操が贈った十人の美女が立っていた。↓その日の朝。曹操のもとに見廻り隊から報告が入った。曹操は立ち上がり、張遼(ちょうりょう)らを伴い、関羽のあとを追った。×××...
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避客牌(ひかくはい) 臣道の巻

内容劉備が袁紹(えんしょう)のもとにいることが、曹操の耳にも入った。↓数日後。曹操配下の張遼(ちょうりょう)は関羽を訪ね、関羽の本心を探り、曹操のもとに戻った。↓「関羽は都を去って劉備のもとへ行く決心です」張遼は曹操に報告した。曹操は関羽を...
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風の便り(かぜのたより) 臣道の巻

内容春となった。袁紹(えんしょう)軍は陽武(ようぶ)の要害へ陣を移した。曹操はひとまず都へ戻り、酒宴を催した。↓酒宴の最中、曹操のもとに汝南(じょなん)から早馬が来た。黄巾の残党である劉辟(りゅうへき)と龔都(きょうと)が汝南で暴れており、...
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燈花占(とうかせん) 臣道の巻

内容曹操は印を作り、張遼(ちょうりょう)に関羽へ届けるよう命じた。関羽は寿亭侯之印(じゅていこうのいん)とある印文を見て、張遼に返した。↓曹操は張遼からの報告を聞き、考え込んだあとに言った。「印文を見ないで返したか、印文を見てから返したか」...
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黄河を渡る(こうがをわたる) 臣道の巻

内容顔良(がんりょう)が討たれた。「顔良を斬れるのは劉備の義弟関羽しかいません」袁紹(えんしょう)配下の沮授(そじゅ)が言った。「赤面で、ひげが見事であり、大薙刀(おおなぎなた)を持っていました。その者は関羽と名乗っていました」前線から敗走...
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報恩一隻手(ほうおんいっせきしゅ) 臣道の巻

内容曹操軍魏続(ぎぞく)は袁紹軍顔良(がんりょう)へ挑み、七、八回矛を合わせのち、斬り倒された。↓顔良ひとりのために、曹操軍の右翼は壊滅。中軍にまで被害が及んできた。↓曹操軍徐晃(じょこう)が出て行った。徐晃と顔良は七十回も矛と斧を合わせて...
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白馬の野(はくばのの) 臣道の巻

内容袁紹(えんしょう)は劉備に相談があると言った。「曹操を攻めようと考えるが、配下の田豊(でんほう)が二、三年待てと言う。劉備殿ならどうする」「時は今なりと信じます」劉備は答えた。袁紹は田豊を呼びつけ、消極的な意見を叱責した。田豊はそれでも...
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破衣錦心(はいきんしん) 臣道の巻

内容ある日。関羽は相府に行き、二夫人の住む内院が雨漏りをするため、役人に修築を頼んだ。関羽の帰り姿を見た曹操は呼び戻し、ぼろぼろの上衣を着ていたので、錦で作った上衣を与えた。↓その後、曹操は関羽の襟元を見ると、ぼろぼろの上衣の下に曹操の与え...
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大歩す臣道(たいほすしんどう) 臣道の巻

内容張遼(ちょうりょう)はふたたび関羽のいる場所へ登って来て、言った。「三つの条件を丞相(曹操)は受け入れられた。ともに山を降りよう」「二夫人のお考えを聞かなければならない。麓にいる軍を三十里外に退かせてほしい」関羽は言った。曹操軍は囲みを...
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恋の曹操(こいのそうそう) 臣道の巻

内容徐州(じょしゅう)には、劉備の配下簡雍(かんよう)と糜竺(びじく)が守っていたが、曹操軍が迫ると城を捨ててどこかへ逃げてしまった。陳珪(ちんけい)、陳登(ちんとう)父子は城門を開き、曹操軍を迎え入れた。↓曹操は陳登(ちんとう)に下邳(か...
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玄徳冀州へ奔る(げんとくきしゅうへはしる) 臣道の巻

内容「曹操が攻めてくる」劉備は対策に迫られていた。張飛は劉備に言った。「奇襲を行って曹操軍の先鋒に大打撃を与え、下邳城(かひじょう)にいる関羽と協力して攻めればよい」劉備は張飛の策を実行することにした。↓曹操軍二十万は、小沛(しょうはい)の...
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小児病患者(しょうにびょうかんじゃ) 臣道の巻

内容董承(とうじょう)の義盟に連判した西涼(せいりょう)の馬騰(ばとう)と徐州(じょしゅう)の劉備について、曹操は郭嘉(かくか)に問うた。「一気に劉備を攻め滅ぼすことです」郭嘉(かくか)は言った。曹操は兵二十万をととのえ、徐州(じょしゅう)...