吉川三国志

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正月十五夜(しょうがつじゅうごや) 三国志(八)図南の巻

・金褘、韋晃、耿紀らの企て あらすじ 来春早々に、都に火の災いがあるという管輅の予言が、曹操の心にひっかかっていた。「都というからには、もちろん、この鄴都ではあるまい」曹操は、夏侯惇(かこうじゅん)をよんで、兵三万を与え、命じた。命じた内容...
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神卜(しんぼく)

太史丞の許芝(きょし)は、曹操のいる病室へ呼ばれ、曹操に「占い者に見てもらいたい」と言うと、許芝は、管輅(かんろ)という者の名を出した。管輅がどれほどのものかと曹操は問うと、許芝は、語りだした。 燕の卵と、蜂の巣と、蜘蛛とを、それぞれ、箱の...
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藤花の冠(とうかのかんむり) 三国志(八)図南の巻

・左慈、術をつかう あらすじ 大花瓶に牡丹の花が咲いたことに、千客は、みな眼をこすり合った。そこへ、魚の鱠(なます)が運ばれてきた。左慈はそれを見て、なぜ松江(しょうこう)の鱸(すずき)ではないのかと尋ねた。生きた鱸を千里の松江から持ってこ...
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柑子と牡丹(こうじとぼたん) 三国志(八)図南の巻

・曹操、魏王となる あらすじ 毎年、呉から貢ぎ物を得ることとなり、また、漢中の地を治めたこともあり、都府の百官は、曹操を魏王の位に推挙しようと考えていた。侍中の王粲(おうさん)は、曹操を褒めたたえた長詩をつくり、披露していたので、曹操もその...
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休戦(きゅうせん) 三国志(八)図南の巻

・曹操と孫権、和睦する あらすじ 呉の主君孫権は、若さゆえに軽々しく、濡須(じゅしゅ)の岸へ進軍し、そこに待ち受けていた魏軍張遼(ちょうりょう)と徐晃(じょこう)の二軍に囲まれてしまった。曹操は小高い丘の上からその様子を見ていた。「今ぞ。孫...
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鵞毛の兵(がもうのへい) 三国志(八)図南の巻

・凌統と甘寧、生死の交わりをむすぶ あらすじ 漢中を治めた曹操は、長年、南方を獲りたいと考えていた。赤壁の恨みを晴らすためである。漢中の守りは、張郃(ちょうこう)と夏侯淵(かこうえん)に任せ、呉を獲るために、曹操は南下して、呉の濡須(じゅし...
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遼来々(りょうらいらい) 三国志(八)図南の巻

・孫権、張遼に敗れる あらすじ 魏の張遼(ちょうりょう)・李典・楽進が守る合淝(がっぴ)の城は、魏の境にあり、国防の第一線である。前衛の皖城(かんじょう)は、呉軍十万によって落ちてしまい、次は合淝に向かっていると、早馬が知らせた。漢中出征中...
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剣と戟と楯(けんとほことたて) 三国志(八)図南の巻

・劉備、荊州三郡を呉に還す あらすじ 蜀では、「漢中を平定した曹操が、つぎは蜀を攻めにくる」といううわさが広まっていた。諸葛亮は劉備に言った。「呉に使いを出して、約束をしていた荊州三郡を返し、孫権に時勢を説いて、合淝(がっぴ)の城を攻めさせ...
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漢中併呑(かんちゅうへいどん) 三国志(八)図南の巻

・曹操、漢中を獲る あらすじ 曹操は、曹仁、夏侯惇、賈詡(かく)を呼びよせ、密儀を開き、蜀が東に進むことができないように、漢中の張魯(ちょうろ)を討つことにした。 一方、漢中では、魏軍が漢中に迫っていると知り、連日、軍議が開かれ、地勢がけわ...
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冬葉啾々(とうようしゅうしゅう) 図南の巻

内容 宮中の侍郎(じろう)王粲(おうさん)らは「丞相(じょうしょう)は魏(ぎ)王の位につくべきだ」と言い出す。↓荀攸(じゅんゆう)は「王は最上の爵位。高祖は劉(りゅう)氏一族のみに限ると法に定めている」と王粲らに反論。↓曹操は「ばかなやつだ...
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臨江亭会談(りんこうていかいだん) 図南の巻

内容 呉(ご)の使者として諸葛瑾(しょかつきん)は劉備(りゅうび)に会い、孫権(そんけん)からの書簡を渡す。↓孫権の書簡を劉備は引き裂く。↓劉備は、荊州のうち長沙(ちょうさ)、零陵(れいりょう)、桂陽(けいよう)の三郡を呉へ還すことを書簡に...
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成都陥落(せいとかんらく) 図南の巻

内容 李恢(りかい)は馬超(ばちょう)を説得し、降伏させる。↓馬超は劉備に会い、「真の盟主を仰いだここちがする」と感激する。↓葭萌関(かぼうかん)の守りを霍峻(かくしゅん)と孟達(もうたつ)にまかせ、劉備は綿竹(めんちく)の城へ帰る。↓蜀(...
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馬超と張飛(ばちょうとちょうひ) 図南の巻

内容 夏侯淵(かこうえん)、姜叙(きょうじょ)、楊阜(ようふ)の連合軍に、歴城(れきじょう)を攻め落とされた馬超(ばちょう)は、逃げ落ちた。隴西(ろうせい)の州郡は治安をとりもどし、曹操(そうそう)は姜叙にこの地域の治安を託し、楊阜を関内侯...
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西涼ふたたび燃ゆ(せいりょうふたたびもゆ) 図南の巻

内容 建安(けんあん)十八年八月。蒙古(もうこ)高原より胡夷(えびす)の猛兵をしたがえて、隴西(ろうせい)の州郡をたちまち征服していく一軍があった。この軍の大将は、曹操に破れて逃げ落ちていた馬騰(ばとう)将軍の子馬超(ばちょう)だった。馬超...
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金雁橋(きんがんきょう) 図南の巻

内容 涪城(ふじょう)に閉じこもっている劉備(りゅうび)は、諸葛亮(しょかつりょう)が来るのを待っていた。黄忠(こうちゅう)は、諸葛亮を待つよりも、いまのうちに蜀(しょく)の陣営を攻めませんか、と進言した。劉備は百日の沈黙を破り、蜀の陣営に...
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草を刈る(くさをかる) 図南の巻

内容 張飛(ちょうひ)は、草刈り部隊を編成し、巴城(はじょう)の裏山の草を刈らせ、草を本隊へ運ばせることを、毎日させた。↓厳顔(げんがん)は、張飛の草刈り部隊に十名の兵を紛れ込ませて、目的を探るように命じた。↓草刈り兵になりすました厳顔の兵...
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破軍星(はぐんせい) 図南の巻

内容 七夕の日の日が暮れた頃。荊州(けいしゅう)城内の街々では、祭りがおこなわれていた。城中でも酒宴をもうけ、諸葛亮(しょかつりょう)は諸大将を慰労していた。↓夜も更けてきた頃。諸葛亮は夜空を眺めていると、大きな星が西の空へ飛び、砕けて消え...
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落鳳坡(らくほうは) 図南の巻

内容 荊州(けいしゅう)を守る諸葛亮(しょかつりょう)から涪城(ふじょう)にいる劉備に書簡が届いた。諸葛亮の書簡を読み終わった劉備は、また最初から読み始め、それを何度も繰り返した。その様子はまるで恋文を読んでいるように思われた。書簡を読み終...
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短髪壮士(たんぱつそうし) 図南の巻

内容 劉備(りゅうび)は涪城(ふじょう)へ帰えると、「漢中(かんちゅう)の張魯(ちょうろ)が葭萌関(かぼうかん)を攻めている」という知らせが入ってきた。劉備は、孟達(もうたつ)と霍峻(かくしゅん)に葭萌関(かぼうかん)を守るようにと命じた。...
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魏延と黄忠(ぎえんとこうちゅう) 図南の巻

内容 劉備(りゅうび)が涪城(ふじょう)を取ったという知らせを聞いた太守劉璋(りゅうしょう)は非常に驚き、成都(せいと)は大混乱した。↓劉璝(りゅうかい)、冷苞(れいほう)、張任(ちょうじん)、鄧賢(とうけん)の四将は、劉備の進軍を防ぐため...